吾輩も猫である(笑)#

僕はたまに出窓に閉じ込められる。それはトリコロールのせいでもあり、ネロさんのせいでもある。ただ、とにかくしばらくの間、僕は、台形のスペースで右往左往。かすれ声で鳴いてみたところで、分厚い内窓の遮音性が、その機能を最大限に発揮して・・・・・・僕の声は、ご主人たちに届かない。

トリコロールが食事を終えて、ネロさんが散歩から帰ってきて、ようやく内窓のサッシが開かれる。そして、僕は、その隙間を確認してすぐに、外へと飛び出す。自由をこよなく愛する「猫族」の端くれとしては、囚われるのが大の苦手。できることなら・・・・・・ここに押し込めるのは、大概にしてほしい。

だからと言って、ここ最近は家中の暮らしに満足しているから、脱走癖が頭をもたげることもない。日長穏やかに過ごせる家中は、野良暮らしには過ぎたる環境。虎視眈々と狙っているトリコロールに、けしてここを奪われてはならない。だから僕は、いつも外を見ている。そう、けして外に逃げ出したいわけじゃない。