2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

BRONX BOY

2,000 Man。アコーステックなストーンズのナンバーを歌っているのは、BRONX BOY。夜明けまで降り続けた雨が、ねずみ色の雲の鱗と北へと流れていって、黒いアスファルトに鈍く朝が滲む。キャビンに満ちた強烈なディストーション、雨上がりの光の中に、まだ暑…

雨のやみ間に 6(完)

<11/10の続き> 朝鮮半島から引き返してくる台風。そいつが近づいてくる前に・・・勢いラフになるスロットルが、寄せるバンクのたびにマシンを暴れさせる。 山肌を削り取っただけの粗い造りのバンク。それを右に折り返し、バンクの広さのままに下りていく。…

雨のやみ間に 5

広がるのは、あまりに開けたインフィールド。晴れていたなら陽射しが満ちて、空の青に包まれるだろうことを、白く光る砂が物語っている。 坂を下りきった底から一度上るようにして、宙にバンクが迫り出す。マシンをしっかり曲げておかないと、縁からダイブ。…

雨のやみ間に 4

<11/2の続き> 三つ並んだテーブルトップは、どれもみな、平板で撫でつけたようにきれいに設えてある。最後の一つ、そのなめらかなランディングを右に見て、パドックからは左に直角に折れて、コースイン。すぐにホームストレートなのだろうか、ただ広がりを…

雨のやみ間に 3

しばらく話し込んで、ネロにおやつをもらって・・・雨のやみ間を気にかける風でもなく、のんびりとまたハードトップを転がし始める。こうした感じも、鮫川の日が思い出されて気分がいい。空も少し明るくなって、ときおり雲の裂け目から陽ものぞいている。た…

雨のやみ間に 2

誰もいない受付小屋を右に見て、棚田のようなパドックらしき広場までゆっくり上に進んでいく。停まっている車は一台だけ。ただのステーションワゴンで、中にマシンを積み込んでいる雰囲気はない。山の中に迷っただけのようで、どこからコースになるのかもわ…