2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

数分間だけ遅れた朝

肝心の「問診票」をバッグに入れ忘れて・・・家を出てから5分で逆戻り。まあ、このぐらいで気がついて、良かったといえば良かった。結局8分遅れの7時45分、同じ北千住行きの区間急行に間に合って、いつもの“弱冷房”車両に乗り込む。時間も遅く、むしろ空いて…

森にも行くけど・・・

昼休み。太陽は頭の真上にあって、足下に、濃くて小さな影を映す。梅雨の“中休み”と言うには、あまりに強くて激しい真夏の陽射しだ。アスファルトからの照り返しと、パーキングに入ったばかりのクルマから湧き上がる熱波・・・ビルとビルの隙間に見える青色…

雨ニモマケズ~3

もうしばらく・・・クラッチを踏みつけた足を戻して、フロントガラスを眺めては耳を澄ます。運転席側のガラスは、半分開いたままだ。「もう大丈夫じゃないの?」、親父さんから声がかかる。「もうおしまい。これ以上は降らないよ」と、明るく笑った声だ。確…

雨ニモマケズ~2

工業団地の入口を左折、しばらく走った先にある畑と駐車場の間を入って、半谷モトクロスパークのゲートを過ぎていく。すでに“やる気”は失せたまま、変更されたコースを見るだけになってしまいそうだ。竹林に囲まれた小道は湿っているけど、ぬかるんでいると…

雨ニモマケズ

霧雨も無くなって、8時30分。RM85Lと1人分の荷物を積んで、Bongoが走り始める。昨夜、帰りの遅かったryoは、まだ2階で眠りの中だ。向かうは“半谷モトクロスパーク”。関宿を抜けて境から坂東の沓掛まで、40分もかからない先にある、一番近いモトクロスコース…

夏空の下で~最終話

午前中に比べれば、少しは速度も上がっているんだろうか・・・くたびれてくると、途端に体が置いていかれそうになる。そんな遅れ気味の体が、そのままスロットルを煽るもんだから、たまらない。勾配のついたフープスで、何度か竿立ちになる。事なきを得て加…

夏空の下で~その6

ryoよりも遅く出て、早く戻って・・・だらしない午前中だった。抑えの効かなくなった腕をさすりながらRMから離れると、記憶すらおぼつかない。転んだわけでもないのに、走っているときの自分が、よく思い出せない・・・軽く脳震盪でも起こしているかのようだ…

夏空の下で~その5

「全然開けられなかったら・・・」の不安は消えたけど、太ももの付け根や尻の周りの“違和感”は、消えるどころかますます気になるばかり。走っている時と違って、段々とヒリヒリしてきた。ただ、手のひらで股の辺りを触っても、モトクロスパンツが濡れている…

夏空の下で~その4

ryoも、すぐには走り出さない。空吹かしを繰り返して、KXのエンジンが素直に付いてくるのを待っている。そう、今日の路面状態を考えればわかる。「まずは軽く一周、コースを下見して・・・」とは言っていられない。最初から全開にしないと・・・2スト85マシ…

夏空の下で~その3

ヘルメットとガードが入ったプラスチック製の箱。イスにガス缶、モトクロスウェア・・・積み込んだ時とは反対に荷物を表に出してから、KX、RMと砂利の敷かれたパドックに降ろしていく。9時を過ぎているのに、社長のブルはコース整備の真っ最中・・・まったく…

夏空の下で~その2

日曜日で休みのENEOS。店の周りを、ぐるっとロープが巡っている。その角を左に曲がり、すぐに左、右とBongoのハンドルを操作して、わずかばかりの町並みをバックミラーに押しやっていく。緑の奥、狭い渓流沿いの道を抜けると、明るい山間。初めて来たときに…

夏空の下で

4:30に合わせていた携帯のアラームが鳴る、少し前・・・部屋の空気を揺らして、誰かが入ってきた。「霧雨が降ってるけど・・・行くの?」。暗がりの中、keiが訊ねる。いつもなら、そのまま布団にもぐり込むところだけど、今日は違った。寝ぼけながらも「ここ…

いざ、福島へ

いつ降るかと思えば、マシンを積み込み始めた途端だ。時機としては出来過ぎ、せっかくの出ばなをくじかれる。それでも、出立は明日、しかも前線の北の端まで出張るつもりだから・・・と、気を取り直してRMにKXと、いつもの順番でBongoに詰め込んでいく。先日…

“原付”レディー

漂う霧雨が、頬に触れる。傘を差していても、何となくしっとりとしてしまう濡れた朝。通りの先に見えるはずの東京タワーも、第二展望台から上が、雨に煙っていた。9時を回っても、都心のクルマの列は流れが悪い。梅雨空に押さえつけられているように、少し進…

八日ぶり

居並ぶ右折車に、いつもの倍以上信号待ちをさせられて、調子が狂った。田舎道の少ない信号にも、ことごとく停められて・・・ツイていない。駐車場に着いてから駅まで急ぎ足、何とかいつもの“区間急行”に間に合ったのは良かったけど・・・朝方に人身事故があ…

人生初“つけ麺”~後編

黒褐色の格子戸の向こうに、カウンター席が6つほど。体を横にしないと通り抜けできないくらい、極端に間口が狭い。ちょうど昼を過ぎて行列こそ無くなっていたものの、カウンターはしっかり埋まっていた。ただ、席は、2階と3階にもあるらしく、すぐに注文を聞…

人生初“つけ麺”~前編

2PM。空の青が雲の白さを引き立てている。マンションの2階をはるかに越えて、ケヤキ並木が歩道に続いている。その背のてっぺんに、まっすぐ太陽が落ちてきて・・・背の高い、黒々とした並木が、道路に映っている。照らされたアスファルトには、橙色の塗料で…

雨上がりの月曜日

雨上がり。だけど、梅雨空は残ったまま。佐々木もよこちゃんが伝える”週間予報”に、ちょっぴり気落ちしながら、シロとネロに引かれていつもの散歩道。アスファルトの水たまりを避けては、ジグザグに動いていく。田圃のあちこちから聞こえてくる蛙の声。グエ…

「コースはマディです」って言われたら・・・

「おはようございます。コースはマディです。今日は1日降らないようなので、コンディション回復してくるでしょう」。起き抜けに“MX408コース情報”を覗いてみると、こんな書き込みが。一緒に載せてある写真は最終コーナーからだろうか、saitoさんの足跡がく…

意外と楽しく切れるもの・・・仕上がりは別として

軒下から落ちる雨音が消えても、雲が晴れることはなく、行き場のない湿り気がよどみまどろむ。太陽は雲の上、陽射しは遮られたままなのに、まったく梅雨らしい蒸し暑さだ。立ったり座ったりを繰り返すだけで、うっすらと汗ばんでくる。汗が引く時の爽快さも…

Born This Way

工場通いも今日で三日目。片道35kmは、田舎道と言っても、それなりに時間がかかる。忙しい朝で1時間弱、車の往来が減って、流れが加速する夜でも40分が限度だ。とにかく往復で1時間半はBongoの中で過ごすことになる。自分で運転するわけだから・・・この空間…

季節外れの“おぼろ月夜”

古巣で二日目を過ごす。ただそれは、同じ工場というだけ。階も違えば場所も違う。大型のサーバーが1mを優に越えるラックに整然と収納され、等間隔にいくつもの列が並んでいる。パソコンよりも発熱が多いせいか、空冷式のファンが回る音で、話す声も聞き取り…

懐かしさが“いいものばかり”とは限らない

味の良し悪しが語れるほど、美食家じゃない。食道楽でもないし、まして舌が肥えているなんてことは・・・まったくない。自分の腹を満たすぐらいなら、バイクにガソリンを入れる・・・昔から、そうだ。そんなワタシにもわかるんだから、ここの社員食堂はもっ…

来てよかった!で、今度の週末は・・・?

午後1時40分。グリーンフラッグを待ちかねて、最終コーナーを蹴散らしミニモト軍団が駆けていく。1週間前の豪雨、そして、数日前にも雨が降ったはずなのに・・・コースは一気に土埃の中。いかにもMX408らしい光景だ。MCの速そうな二人に照準を合わせて、喰ら…

みんな、みんな・・・真っ赤っか

“ギャラリーコーナー”の土手の下。1台だけ停まっているトランポは、Bongoの兄弟車のVanette。machi-sanだ。焼き付きから蘇ったCRF15ORⅡがセンタースタンドに載せられている。そう言えばmachi-sanも“鞍替え”した一人だ。よく見れば、キャラバンの向かいにはマ…

続:ザリガニは確かに赤いけど・・・

利根川に沿った農道を出て、国道6号線で利根川を渡る。EXC-Rなのが、新鮮だけどどこか淋しくもある。取手の街中を抜けて、小貝川を越える頃には、水田を渡る風がいくぶん冷たさを感じるようになっていた。頭上に広がる大きな空に、一筋の飛行機雲。蛇行した…

ザリガニは確かに赤いけど・・・

9時7分。マナーモードに設定した携帯が小刻みに震えている。MX408に向かったryoからだ。瞬間的に「何かあったか?」と思うのは親の哀しい性だろうか。「uchinoさんがいるんだよ」と、昨夏のRIDE DAY以来になる“師匠”との再会が、ずいぶんうれしかったようだ…

半額“生パスタ”~後編

昼時で、カウンターを除けば、ほぼ満席。しばらく待って、最初に運ばれてきたのは「トマトソース」の方。ただ、何かちょっと違うような・・・。運んできたのは店の主人だろうか、どうやらオーダーを間違えてしまったらしい。「すみません。麺がほうれん草を…

半額“生パスタ”~前編

月が変わっても、サービスランチが「チキンカレー」のままになっている店から引き返して、“にっぽり繊維街”の方に足を向ける。ただ、この界隈は、少し前に歩き回っていて・・・裏通りにも面白そうな店が無いとわかっていた。結局、遠回りしただけで、駅前の…

そろそろ恋しくなってきた?!

いろいろあった5月が昨日で終わった。新しい月の始まり、「雨の季節・・・」の思いは消せないけれど、6月最初の朝は、薄日が街並みを明るく照らす、まずまずの天気になった。雨もひと休みのようだ。昨日の名残の北風に思わず肩をすぼめてしまう・・・衣替え…