2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

埃立つ乾いた路面と馴染みの微笑に・・・気分は上々!~終

別に焦ったわけでも、怖くなったわけでもない。むしろ調子に乗っていたぐらい。第一コーナーを外側から立ち上がり、スロットルを開け気味にしてフープスを跳ねていく。前の周、その前の周と何も変わらない。最後のコブを越えてからは、スロットルを中間に固…

埃立つ乾いた路面と馴染みの微笑に・・・気分は上々!~3

すっかり満足したokano師匠は、そのままあがり。昼寝で休養十分のiguchi師匠とワタシが、残り20分を待って最後を締めることに。「そろそろヒート練習?」、saitoさんの一声に、CRF、RMとエンジンに火が入る。スターティングエリアで暖機、コースインの時機を…

埃立つ乾いた路面と馴染みの微笑に・・・気分は上々!~2

“度胸試し”の2連ステップアップは、一度も試せなかった。それでもインベタでやり過ごして、続く2連ジャンプからテーブルトップまでを半クラッチでうまくつないでいけば、大きくリズムを崩すことなく走り抜けられることはわかった。okano師匠とバトル練習して…

埃立つ乾いた路面と馴染みの微笑に・・・気分は上々!

「あっ」と思う間もなくRMの車体が左に起き上がると、壁と化したコースサイドに身体が擦りつけられていく。左足のブーツが砂利混じりの土を削り始めた時には、シートから尻が外れて、後ろに振り落とされていた。右足をステップから離して突き出していたせい…

冬の名残のにごり湯紀行~最終話2/2

湯上がりの身体から、ほのかに硫黄の匂いが立ち上る。9時を過ぎてからの遅い朝食は、バイキング形式。宿の風情に似つかわないとは言え、もてなしは“和”で通されたままだ。ここでも、あの親子と一緒になった。千本松牧場で作られたというヨーグルトを、美味し…

冬の名残のにごり湯紀行~最終話1/2

温泉が効いたのか、深いまどろみからのんびりと目を醒ます。その寝ぼけた顔のまま、朝風呂へとエレベータで降りていく。朝の湯は新鮮で、真っ直ぐに立ち込める湯気の向こうに青い空がにじんでいる。硫黄の匂いも、心なしか若い。露天の脇に積み上げられた雪…

冬の名残のにごり湯紀行~第五話

<3/23の続き> 勾配のある道をたどってきた足を止めたせいか、服の繊維と肌との間が不愉快に暑くなってきた。厚手のライダーズジャケットがいよいよ邪魔になり、ジッパーを下げて前をはだける。山から吹く風が、氷の上を渡り、ジャケットを大きくはらませる…

いらっしゃい!

我が家にも福島から避難者がやってきた。keiの“知り合い”だ。年老いているそうだから、大事にしてあげなくては・・・と、少し早めに帰って様子を見るはずだった。それなのに、会社を出るのがすっかり遅れてしまって・・・東武動物公園の駅に着く頃には、頭上…

冬の名残のにごり湯紀行~第四話

<3/17の続き> たどり着いた日光湯元スキー場は、本格的な滑走を楽しむよりも、雪に戯れる姿が似合っていた。いわゆる“ファミリーゲレンデ”。視界の中には、そりすべりに興じる親子連れが何組もいる。しかし、親子とも元気な組み合わせは案外少ないようだ。…

春眠、夢を誘ふ

夢を見た。歳を取ると、寝ている間も夢を見なくなるんだなあ、と思っていたけど・・・そんなことは無いようだ。ただ、この前、いつ、どんな夢を見たのかは、思い出せない。それほど、ずっと時間が経ってしまっていた。それでも長引く右肩の痛みと花粉症で寝…

その“涙”のワケは?

行きつけの美容室「Brook ark」、そこに歴女がいる。その彼女なら何と言うだろう・・・勝家とお市の最期を。大河ドラマ『江』、前半の山場であろう北ノ庄の落城は、ワタシには楽しめる筋書きだった。史実がどうであったか、共に自刃した事実だけでは知る由も…

エクストラ・スーパー・ムーン!

晴れの日はいい。光に照らされているだけで、何かをしたくなるから。それが暖かな陽射しなら、なおさらだ。朝から曇り空、夕方には雨が降り出す天気予報も、どうやら外れてしまったようだ。散歩に出れば足取りも軽く、今日は朝から河川敷。見渡せば遠くにゴ…

春遠からじ・・・

冬晴れから一転、彼岸を待つことなく、陽射しに春が宿っている。柔らかな光は、輪郭をぼやかしたまま地上に降りてくる。風がその光をさらっていく・・・満開の桜が似合うほどの、春本番。そして、昼を過ぎると、着ていたトレーナーが邪魔になるくらいに気温…

ムサシの国を見下ろす“希望”

午後6時50分、東武線の北千住駅。昨日に続いて、コンコースで入場規制の列に飲み込まれる。自動改札を抜けてからホームへの階段をかすめるように列が延びて、一度引き返して、二度目にようやく階段を降りることができた。2番線には始発の準急が停まっている…

冬の名残のにごり湯紀行~第三話

<3/5の続き> 湯ノ湖に差しかかると、道端の雪も高さが増してきた。左手に広がる湖面が白く濁っている。凍っているのだ。全面氷結とまではいかないが、雪の白さとは少し違う、磨りガラスをもっと曇らせたような鈍い白さが沖へと続いている。その湖の曲線に…

大人ゆえに・・・お楽しみは来週にお預け~番外編

コースを出て、WESTWOODへ向かう帰り道。「新聞を取らなくなって、コンサート情報がわからなくなったなー」と、助手席のryoに話しかける。思えば、社会人になってからというもの、紙面の最後、社会面の下で賑わう「公演案内」で“KISS”のロゴを見つけては、日…

大人ゆえに・・・お楽しみは来週にお預け~終2/2

気合を入れて、最後のクールに走り出す。フープスを勢いよく走り抜けると、コース脇に佇むサングラスの奥から優しい視線を感じる。気を良くしてビッグテーブルから、大小のテーブルトップを越えて、いざ、加速!・・・と、ここまできて、あろうことかリヤブ…

大人ゆえに・・・お楽しみは来週にお預け~終1/2

“それなり”の決心がつくことはなく、すっきりとしない気分のままホームストレートへと戻っていく。アウトバンクから翻って斜面、その先に見えるテーブルトップを捉えた途端、なぜか気持ちがすくんでしまう。RMの両輪は地面を離れることなく、“へ”の字をその…

大人ゆえに・・・お楽しみは来週にお預け~その6

常連の姿が少ないパドックで、代わり映えのしない「カップ焼きそば」の昼食。ryoと二人だけで昼を取るのは、ずいぶん久しぶりのことだ。RMがokano師匠のCRFに絡まれている間、ギヤ比を下げて、お気に入りの低速仕様になったKXは、“格上”のA父子に勝負を挑ん…

大人ゆえに・・・お楽しみは来週にお預け~その5

<3/10の続き> ただでさえイン側のラインを攻めるのが得意なokano師匠。勝負となれば、それこそ“執拗に”攻め立ててくる。第一コーナー、スネークが終わってストレートへと続く左コーナー、新設された連続ジャンプ手前の左コーナー・・・スルスルっと視界の…

無事帰還!

途中、隅田川で“津波”に遭遇するも、水道橋から大袋までを7時間かけて走破。大袋からはkeiとryoに救出されて、午後11時47分、無事帰還。 おかげで、とりあえず“7時間”は歩けること、肝心な時に“犬”が役に立たないことがわかった。

大人ゆえに・・・お楽しみは来週にお預け~その4

一つ目のコブ、傾斜にフロントタイヤがぶつかり、フロントフォークが押し込まれる。両腕にそんな動きが伝わる間もなく、RMが跳ね上がる。気持ちの中にちょっぴり怖さが残っていたのか、少しだけ前下がりのRM。窪みが幾分なだらかになっているのと、進入した…

「アルミ合金むき出し」と言えば・・・

都心に向かう朝の通勤列車、左手で吊り革を握ると、視線が窓の外ではなくて右の掌に落ちる。IS03でメールを確認し終えて、軽くニュースクリップを閲覧、気になった記事をブラウズして・・・一応“スマートフォン”を持っていることだし、今時のデキるサラリー…

大人ゆえに・・・お楽しみは来週にお預け~その3

ただひとつ「新しい連続ジャンプを除けば」と条件がつくものの、加速感あふれるコースは紛れもなくMX408。不用意に突っ込んでいったフープスでも、ジャンプの着地でも、右肩から力が抜けることもなく、上出来な20分だった。パドックの端、登り勾配の斜面に鼻…

大人ゆえに・・・お楽しみは来週にお預け~その2

水を吸って赤褐色に沈む路面。竹林の足下を掠める曲線。さえぎるもののない空に向けたジャンプ。ここにしかない“感覚”を手繰り寄せるように、最終コーナーを大きく外側から回り、コースに入っていく。フルサイズマシンの2クラスが走った後のコースは、表面の…

大人ゆえに・・・お楽しみは来週にお預け

花粉症がひどい。そのせいか、何となく体が熱っぽくてだるい。体温計は平熱を知らせるから、たぶん気のせいなのだろう。それでも、熱っぽさとだるさが消えることはなく、土曜日に予定していた練習を一日ずらして・・・薄雲に陽射しが霞む空の下、目指すはMX4…

冬の名残のにごり湯紀行~第二話

2月最後の週末。前日の金曜日が春本番の陽気だったせいか、中禅寺湖畔に雪はほとんど見えなかった。湖面に落ちる陽射しは、強く眩しく、風の軌跡が光の波になって、湖岸へと寄せてはふっと消えていく。太陽が照る窓際に座っているからか、左の頬と耳たぶが真…

冬の名残のにごり湯紀行~第一話

東武日光駅からは路線バスに乗り換える。と言っても、街中を走る、普通の路線バスじゃない。左右に2列ずつ、リクライニング式の座席が並んで、真ん中に補助席が設えられている。車体の“腹”にはスキーなどの長尺物から大きなキャリーバッグを飲み込む荷室まで…

今日は楽しいひな祭り♪

西の空にまだ明るさのかけらが残っていて、一番星が青味がかった空の上で瞬いている。黒い炎のような雲が立ち上り、だんだんと色が失われていく様に、空が空間であることに気づかされる。瞬きは銀色に輝いて、二つ、三つと仲間を増やしていき、街角のネオン…

武者修行と言うには・・・あまりに情けなく~最終話2/2

<2/28の続き> 早く開けようと焦る気持ちが、テールスライドを誘発する。開けながら曲がれない「もどかしさ」・・・アウト側の縁に二本のタイヤを当てて、車体を寝かせたままスロットル全開。そう思うだけで、“弱っている”ワタシの心身では、コーナーのアウ…