2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

せっかく勝ったのに・・・

空荷のBongoが風に揺れる。さらっと雨が流れては、フロントガラスに点々と雨粒が光る。しばらく走ると、乾いた風が、また車体を揺さぶる。ダルトワで悩んだ末に選んだ“苺のショートケーキ”も、助手席で小さく揺れている。橋から見下ろす利根川は、群馬の方で…

転ばぬ先の新品タイヤ

どこかで日付が変わったみたいに、雨は上がり、雲が切れて、空に青色と太陽が戻ってきた。ぽっかり空いた土曜日、午前中をXR230のタイヤ交換に充ててみる。丸6年、1万キロを超えるまで、一度も換えることのなかった前後のタイヤ。真ん中のブロックは、四角…

この雨で・・・お預け

黒く濡れたアスファルトに、原色のネオンが瞬いている。ひとしきり降った後、傘を差している人はいない。駅への階段を急いで上がっていく・・・早くしないと・・・明日になってしまうから。 先発の南栗橋行きに乗りそびれて、ホームの端で5分後に来る大田行…

ホント乗りたいわ―♪

浮かれた“迷い”が見透かされた。携帯にメールが届く。iguchi師匠からだ。5月に入ってから、一緒に走っていない・・・。きっかけは、もちろん「夏休みが近いから」ではない。二人揃ってのホームコース、MX408が逆回りに戻ったからだ。メールを見れば、よくわ…

夏らしく、アツく!アツく!~その10

明日も休み・・・そんな甘えからか、片付けがなかなか進まない。目の前で派手な“滑空ショー”が繰り広げられているから余計だ。各車荷物を積み終わり、そろそろ合宿もお開きの時間・・・ランプから跳び出すライダーを名残惜しそうに見つめるkyo-hei。kazuも親…

夏らしく、アツく!アツく!~その9

kazuが去ったコースで、もう一度、ryoと絡み合って走る。「これが最後」とばかりに、全開で上り坂を併走するナノハナカラーの二台・・・と言っても、下から見上げたのでは、埃にまみれて黄色も緑色もよくわからないはずだ。それは走っている二人も同じ。とり…

夏らしく、アツく!アツく!~その8

さすがに5年も続けていれば、これぐらいで破綻することも無く、右手を絞り込んで左ターンを二つ、落ち着いてさばいていく。そのまま、腕が上がっていることも忘れて、頂上から続くギャップを開けながら抜けていき、一気に坂を下る。途中、緩い右の曲がりで、…

夏らしく、アツく!アツく!~その7

昼をはさんで、午後1時。待ちかねたように着替え始めたのは、一番年若のkyo-hei。いつも「半日しか身が入らない」と言っていたのに、今日はまだ走り足りないようだ。ヘルメットに小型のオンボードカメラを取り付けると、ryoと二人、連れ立ってコースへと出て…

夏らしく、アツく!アツく!~その6

何度か並びかける緑の車体、それを見えないようにして振り払う・・・そんな周回がどのくらい続いたろう。インフィールド最後のテーブルトップを過ぎて、フープスへと続く右コーナー。ここから先はryoが得意とするところだ。一瞬、車体が崩れかかったRMのイン…

夏らしく、アツく!アツく!~その5

みんなより少しだけ多く周ってから、パドックに引き上げていく。RMから降りた瞬間の暑さも、森の風がさらっていって、すっと汗が引いていく。深緑色したタープ型テントの下、日陰で風の通り道にさえいれば、すぐに走り出せるほど、たちまち体が乾いていく。 …

夏らしく、アツく!アツく!~その4

まったく湿り気のない、白い土の上。軽く円弧を描いているだけで、スタート地点に土煙が這う。余計なことはひとつもいらない。ただ、スロットルを全開にして、最初の坂を駆け上がるだけ。この潔さが、たまらない。クラッチレバーを離すと同時に、スロットル…

夏らしく、アツく!アツく!~その3

いつの間にか仲間が増えて、総勢5人になったチーム“とんちんかん”。親分の鎖骨も何とかくっついたようで、相変わらず威勢がいい。何をするにも大げさなkazuも、去年のままだ。これにmachi-san、tasakiパパとkyo-hei、ryoとワタシで・・・全部で10人!合宿初…

夏らしく、アツく!アツく!~その2

アスファルトから受付のログハウスを回り込むように曲がっていく。まだ9時前だというのに、コースを走るマシンの音が聞こえてきた。一台だけ、4ストのくぐもった排気音だ。朝から元気なのは・・・地元の子どもかもしれない。そのまま一段低いパドックへと降…

夏らしく、アツく!アツく!

東の空に太陽が浮かぶ。国道4号線が利根川を渡る、その橋の上。ちょうど視線の高さから、生まれたての陽射しを放っている。朝の5時、Bongoを走らせていく体は、まだ寝ぼけたままだけど・・・梅雨も明けて、今年も“遠征”の季節がやってきた。初日は、第二のホ…

寸胴の飯椀、なかなか気に入っている~後編

「土の色」と言うよりは、濃い錆色。焼き物に詳しいわけではないから、よくわからないけど、焼きしめ本来の処理とは別に、焼き上がってから釉薬を吹きつけていると言う。それも金に近い明るい茶色。それが円筒の器に奥行きと表情を演出している。他にもいろ…

寸胴の飯椀、なかなか気に入っている~前編

山口の萩にツーリングした時、ひとつ後悔したことがある。それ以来、迷った“もの”には手に入れるようにしているけど・・・他の“もの”はいざ知らず、この時に逃した“一品”を見つけることは、なかなかできずにいる。 GWの休みに、うまく有給休暇をくっつけて、…

図書館と本屋さん

図書館の二階。ガラス張りの外に、人とクルマが音もなく動いている。本の頁をめくる音、司書の女性が台車を転がす音、こうして紙に文字を書き記す音・・・いつもなら聞くこともしない音に囲まれて、しずかに時間が過ぎていく。ガラス越しの道路は、ただ白く…

Don’t Stop Believin’

You Tubeでカラオケの練習をするとは思いもしなかったけど・・・これが手軽で、結構楽しい。歌詞の一部を入力すれば曲目を教えてくれるアプリもあるし、結果をYou Tubeで検索すれば・・・すぐにイヤホンから楽曲が流れてくる。とにかく便利な時代になった。…

午前5時19分、Osaka。

あと30分、もう一眠りできるギリギリの時間だ。今日のOsakaは、午前4時54分に夜が明ける。そこから、ほんの少し前の刹那が、ちょっとかしこまった言葉とともに送られてきた。東京みたいに広くないから・・・海に開けた西側は別にして、少し背のあるビルに上…

梅雨、明けた!~下2/2

それでも何とかフープスまで折り返してきて、S字を抜けた先、キャメルジャンプの斜面にフロントタイヤをこちらに向けたKXがいた。とりあえずマシンを起こしているから、大丈夫のようだけど・・・手のひらを返すような素振りで何か叫んでいる。「ハイサイド」…

梅雨、明けた!~下1/2

3時30分。フルサイズの親子が上がって、パドックにはryoと二人だけ。少し風が吹いてきた。いつもなら後始末を始めている頃なのに、のんびり腰を下ろしていられるのは、半谷ならではだ。5時までは、まだ時間がある。しかし、「涼しくなってから」と待っていて…

梅雨、明けた!~中

今日の半谷は、ミニモトの方が多い。多いと言っても、ミニモトがryoとワタシの二台、対してフルサイズは、さっきの高校生だけだ。結局午後になっても、三台でコースを占有、何とも贅沢な練習になった。ただ、せっかく走り放題なのに、あまりの暑さで休んでい…

梅雨、明けた!~上

14時。いつの間にか雲が消えて、太陽だけになった空。イスから見上げるクヌギの葉は、陽射しを受けて葉脈がはっきり見えるほど透きとおった若い緑と、葉の影が落とされて濃い緑に染まったもの・・・何枚も重なった一番下の葉は、ほとんど黒に近い色をしてい…

仕切り直しの日曜日~最終話

そばを啜っていると、パドックに軽トラが一台やってきた。運転席にいるのは、ryoだ。半谷のコースが気になって、見に来たらしい。残りのそばを一気に流し込んで、ウチワ片手に二人でコースを歩き始める。高低差や距離感など、走っていては気がつかないところ…

仕切り直しの日曜日~その2

遠慮もなく瞳に流れようとする額の汗。タオルを押し当てていればいいんだろうけど、肌が空気に触れていないことが耐えられない。太陽に射られるのではなく、蒸されている感じ。幸い、今日はクーラーボックスを持参していて、中には保冷剤がたんまりと入って…

仕切り直しの日曜日

雲は多いけど、朝から何の心配もいらない晴天。積みっぱなしのRMと“準備”一式を載せて、Bongoが昨日と同じ道をたどる。日曜の朝は道も空いていて・・・30分もしないで、半谷モトクロスパークの入口に到着だ。「明日は開けますから」の約束どおり、ゲートは開…

まさかの“ゲート封鎖”

7月2日。MX408に向かうryoを見送ってから、BongoにRMを積み込む。昨夕の雨が、いつにもまして動きを鈍くさせる土曜の朝。MX408とは反対方向、先週と同じ半谷モトクロスパークが、ワタシとRMの目的地だった・・・。 途中のセブンイレブンで、昼飯にする菓子パ…

早くしないと先を越されちゃうよ!

日曜日に走ることが多くなって、体の動きが渋い月曜の朝。腰と背中、そして大腿部は、心地良い痛みを通り越して、膝を開き気味にしてゆっくり歩かなくてはいけないくらいに痛めつけられている。階段の上り下りでさえしんどいのに、朝からシロとネロの相手を…

雨ニモマケズ~最終話

昼をはさんで、午後が始まる。20分以上走っても記憶が飛ぶことはなく、肘も膝も、肩も腰も、思いどおりに動かせるようになってきた。右肩も痛むどころか、かなり動きが良くなっている。跳び上がってもハンドルを引く余裕もある。でも・・・フルサイズに混じ…

雨ニモマケズ~5

パドックに戻ってヘルメットを脱ぐと、一気に汗が吹き出した。それほど気温は高くないはずなのに・・・まとわりつくような湿気で体温が逃げていかないのだろう。こんなことなら、メッシュを選んでおけばよかった。湯船から上がってきたように上気した顔を、…