2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧
KISSの曲ばかりが続くと思ったら、FMからYou Tubeのミックスリスト、それもKISSのやつに切り変わっていたらしい。着替えている間ずっと、ポールとジーン、ピーターやエースまでが代わる代わるに歌を歌う。saitoさんもずいぶん粋なことをしてくれる。時々未発…
耳になじんだ歌声が、シンプルなビートに乗って、風に吹かれてく。 明るい朝、4日前と同じパドックへ滑り込んだBongoの周りに、遅れてやってきたファミリー━━と言っても指折るほどではないのだけれど━━がトランポを寄せていく。右隣、ひさしぶりに見る旧いタ…
奥のワダチは、共にスローダウン。それでも先に抜けていった#148のCRFを、再びジャンプで追いつめる。バックストレートエンド、ここが右カーブでよかったと思いながら、再び大きくなった背中に、2ストロークの音をぶつけてみる。すぐそばにいるのは、これで…
今日までの話を互いに半分ぐらいずつ披露したところで、二人連れ立ち、パドックを後にする。杉木立の下、先にインしたのはCRF150RⅡだった。昂ぶる排気音がチェーンを引っ張り、リヤタイヤが土の塊を後ろへと弾いた。 丸めた背中を小さくシートに乗せたまま、…
フープスの端から急いで戻り、土埃が乗ったままのRM85Lを降ろしていると・・・勇ましい破裂音が途切れて、パドックにCRFが帰ってきた。マシンをレーシングスタンドに掛けて、ヘルメットを脱ぐと、ひさしぶりに見る笑顔がそこに覗く。のんびり過ごすつもりだ…
<3/24の続き> 谷田部をのんびり走るつもりの三連休最後の日。だから、黄色い愛機は昨日のまま、Bongoの荷室で埃だらけだった。下りのブラインドに開いた入り口、砂利の坂道に向かって左にハンドルを切ると、昨日よりも眩しい木漏れ日の中、受付小屋の窓越…
こんなステージが見られるなら、アメリカ旅行も悪くないか。 ジーンのMCは新鮮で、リフはもちろん、ギターソロまでオリジナルのまま。泣かせてくれる! GENE SIMMONS & HIS BAND AT CLEVELAND’S ‘THE AGORA’
「今日はモトビに来てしまいました」 「谷田部で」と約束していた知り合いからメッセージが届いたときはもう、小絹で国道294号線を越えていた。戻るにはずいぶん走ってしまった。信号待ちでもう一度スマホを覗いてみると今度は、いつもMX408に居るはずのカレ…
最終コーナーの立ち上がりを横切り、第2コーナーの外からフープスの出口に向かって駈け上がる。やわらかな土だまりにスニーカーの底を取られないようにゆっくりと、それでも大股に歩いていくと、第1コーナーを回る4ストロークが近づいてくるのに間に合った。…
バックストレートを駆け上がってきたフルサイズマシンを驚かせてしまったけれど、ラインを塞ぐギリギリでカラダを起こして、左手をその後続にかざす。倒れたRMと一度パドックに引き返して、右手とスロットルにこびりついた泥を払い、すぐにコースへと戻って…
柔らかく踏みつけたブレーキペダルと甘い倒し込みは、下りながらのターンで勢いを消し切れなかった。ふんわりと盛られたアウトバンクの土に、アールを無視するようにまっすぐ走る続けるRM。視線は、張られたネットの切れ目から動かない。足も、腕も、指先も…
すぐに木立を抜け、乾ききった2ストサウンドが、明るい陽だまりに躍り出た。ツキのいいエンジンは、それだけで路面を間近に感じる。フープスの一つ目が思ったよりも早くフロントタイヤを弾いて、マシンの勢いが止まらない。最後のコブを避けるように右の縁に…
打てば響く。 2速でも3速でも、右手を捻るだけでフロントタイヤが浮き上がる。もちろん真新しいリヤタイヤが、2ストローク85ccエンジンの生み出すわずかなチカラまでも、しっかりと路面に伝えているのは確かだ。それでも、過敏なくらいのこの反応は、2スト使…
ゼッケンのないCRF150RⅡは、FMX仕立てのデカールをまとい、すぐ前を走る。そして、手が届くほどに近づいては、可憐に離れていく。 幾度となく仕掛けても、けして引かない。ほとんど並びかけても、一瞥をくれるだけで、譲らない。同じクラスを走るべき、性格…
真っ赤なthorの背中には、MANAMIとアルファベットが並んでいる。 しなやかにビッグテーブルを舞い上がると、両手だけをハンドルバーに残し、ステップから離した両の踵をフロントタイヤの上でこすりあわせる。ヒールクリッカーを披露してみせてくれたのは、午…
第1コーナーの出口に反るテーブルトップ。2速で跳び上がっていたその斜面の途中で、2ストロークエンジンは吹け上がり、シフトアップを要求してくる。第2コーナーを抜け、迫るテーブルトップの手前で3速に蹴り上げて跳び出し、下りの斜面から右に大きく回る第…
#92のフロントゼッケンが、バックストレートを跳ね上がり、砂塵を散らして駆け抜ける。そして、インフィールドを逆さに走るRM。少しずつ出会うタイミングが手前になってくる。周回ごとにじりじりと引き離されていく感覚、それは向こうもわかっているはず。一…
エンジンが壊れる一歩手前、いや壊される直前にRMを救ってくれたのは、2ストロークを愛する者たち。その一人が今、第3コーナーを臨むテーブルトップに跳び上がる。いつもの鈍くくぐもった排気音を響かせRMが、その背中に引かれるようにリヤタイヤを蹴り出し…
昼休みが終わり、1台また1台と、木漏れ日の向こうに消えていく。 フープスから折り返してビッグテーブルを跳び越えていくと、しばらくマシンの音が届かなくなる。パドックに残っているのは、大将のCRF450Rと、ワタシの黄色いマシンだけ。あとはまばらにコー…
6年が過ぎて・・・。 こうしてモトクロスに興じる週末を、幸せに思う。
留守だった#148のCRF150RⅡには周回遅れにされることもなく、泥をまとったRM85Lが、スターティングマシンの後ろでゆるやかに弧を描く。陽の落ちたパドックに戻りながらもう一度、今走ってきたコースに視線を流す。きっとカレなら、こんなRMをいたわりながらも…
けして跳び上がってはいけないテーブルトップが並ぶ直線で、見事にRMを平らな地面に叩きつけながら、林の中へとラインをジグザグに縫っていく。 最後の20分も、あと少し。コースに残っているのはワタシとRMだけ。立木の並んだストレートに、ギャラリーの姿も…
小さなテーブルトップの短い下りが、黒ずみ光っている。フープスへはこの斜面で直角に折れて進入する。そこから、ほとんど平らに思える6つのコブへ斜めに入っていけたのは、YZ85を追いかけていたときまでだった。誰がここを開けながら回れるのかと独りごち、…
<3/6の続き> 捻る右手にリヤタイヤが思わず空転。傾けてもいないのに、車体は右に左に振れて暴れ出す。しっかり後ろに着けていたはずが、見覚えのあるCRF150RⅡはどれもみな、無様なRMから少しずつ離れていく。午前中の最後に、nagashimaパパのYZ85を追いつ…
米語ばかりの耳が、なじみの良い英語の歌詞をたどっていく。軽やかな8ビートのロックンロール、レスリー・マッコーエンの青い声音は、どこまでも伸びやかに、遠い昔の扉を叩く。KISSと時期を同じくして、若い女の子を熱狂させたBay City Rollers。瞳を閉じて…
空回りしていたのは、愛機RM85Lのリヤタイヤばかりじゃない・・・。 ひたすら高く遠くに跳ぶことだけを思い、固い斜面だけを見つめて、長い直線にスロットルを開けることだけに夢中になっていたら、すっかり忘れてしまっていた。雨の残った山砂は、ホームに…
あれほどパサパサしていた路面は、しっとりと柔らかく、ヘタったタイヤにもうまくからみついてくる。肝心の長い斜面はまったく固く乾いていて、直前に4速へとシフトしたRMを、一周目から素直に宙へと誘ってくれた。止まった息を吐き出し、頑張って持ち上げる…
コースサイドに立つ黒いベンチコートの後ろ姿から、手招きとともに「戻れ」の声がかかる。暴れ馬たちは、一斉にパドックへとなだれ込んでくると、軽々とマシンを持ち上げ、レーシングスタンドの上に載せる。そして、すぐにライダーズミーティング。なんとも…
「まったくエラい日に来ちまった」と、声には出さず、三人が三人とも密かに思いをめぐらせ、ゆっくり着替え始める。杉の枝から漏れるヒカリは、緑のテントばかりを照らしていて、風は冷たく吹き渡る。それでも三人の中で一番早く支度を終えると、RMの傍らに…
アスファルトに夜が滲む。 赤いテールランプが足下で長く尾を引き、4つのタイヤが音を立ててゆっっくりと離れていく。ひんやりした宵闇がいきなり、真っ白なLEDライトに浮かび上がった。息を吐く唇が、弥生の冷雨にふるえて潤う。雨は夜半まで大地を濡らし続…