2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧
昼を回って、午後1時。雨の降る気配は、まったく無い。二度寝から起きてずっと、空には白い積雲が散らばっているだけで、その間を太陽が出たり入ったり・・・風もおだやかで、台風の影すら見えない。すっかりやられた感じだ。このところ、天気を読み誤ること…
「秋晴れ」と言うには、ちょっぴり暑かった。お昼前まで雲に覆われていたはず空は、いつしか高く抜けるような青に満たされて、その上で太陽が、やけにまっすぐな光を落としていた。台風一過ではないけど、太平洋を北東へ去っていった台風18号がつかの間、地…
午後2時。tohdohさんの後を追うようにして、コースへと出ていく。さらに一時間過ぎた路面は、確かに走れる。それも“何とか”ではなく、割に“しっかり”と・・・車体が暴れ出すのも、乾いた砂の上より優しいぐらいだ。フープスだって攻めて走れるし、ダブルジャ…
<9/23の続き> 遠くの方で、時折水しぶきを上げながら、二台が周回している。苦労して走っている雰囲気は、まるでない。利根川の河川敷でryoと二人、笑いながら雨の中を走っていた姿が浮かぶ・・・。第一コーナーではマシンが振られるらしく、2ストのKTM85S…
玉砂利を敷き詰めたような海水浴場は、日本海では良く見る景色だ。9月も半ばを過ぎて、波打ち際には、寄せる波と追いかけっこをする人がまばらにいるだけ。ただ、よく見ると、足下に視線を落とし、ゆっくりと海岸線を歩く姿もちらほら・・・歩くたびに片足を…
国道41号線を北上、神通川沿いの大らかな曲線と豊かな道幅の上を走る。県境を越えて、岐阜から富山へ・・・細入村が富山市に合併したから、いきなり“富山市”になる。旅人には、ちょっと寂しい平成の大合併。“風の盆”で有名な越中八尾も、今は富山市となって…
やっと手に入れた“夏”休みが、あと数時間で終わる。「遅い」だけあって、日ごと夏らしさが消えていった一週間。おまけに一週間、バイクにも乗らずに過ごす。ただ、その分、余計なことをする時間はたっぷりとあった。暦どおりの三連休に合わせて飛騨から日本…
もう何も望めない・・・雨上がりの昼休み、足下を勢いよく流れる泥水に、気分もさらわれていく。さすがに“第二波”は余計だった。いくら渇ききったMX408でも、今度ばかりはまともには走れない・・・ひとりそう決め込み、モトクロスブーツを外して辺りを見渡す…
ちょうどバックストレートを加速し始めた時だ。ゴーグルに雨粒が弾けた。つぶれた水滴が、視界を邪魔する・・・落ちてきたのは、かなり大粒の雨。こうなると、“あと”は早い。レースさながらの急いた走りで、スタート地点へと急ぐ。せっかくの満ち足りた気分…
スタートラインについて、全開のエンジン回転を左手で解放してやる。リヤタイヤは空転する間もなく、黄色の車体が、一気に第一コーナーへ・・・途中、一瞬だけヨレたけど、あれほどの雨を吸ってなお、路面はしっかりとしている。それほど乾ききっていたと言…
<9/11の続き> 近づいて来た時と変わらない速さで、空一面の墨色が、西の空へと離れていった。雨は止んで、頭の上も少し明るくなってきた。残されたのは、大小の茶色に汚れた水たまりだけだ。バックドアーの端から滴る雨も無くなった頃、85マシンが一台、2…
クルマの中で食べる朝飯も、昼のうどんも、飲み物も・・・全部、二人前。7時を過ぎて路地から県道に出るbongoの助手席には、kubo-chanほどじゃないけど、完全に“ぽっちゃり”したryoが乗り込んでいる。二人並んでアスファルトの先を見つめては、走り慣れた裏…
「まだ50ccが居ない」らしく、9時からはクラス分け無しのフリー走行。nagashimaパパの手前、それなりに急いで支度を整えて、9時をそう回らないうちに、コースへと入っていく。もちろんryoは、とっくにコース脇だ。フィニッシュ前の右コーナーから、最終コー…
うだるような午前中が終わった・・・30分を走りきれなかったことが、夏男としてはちょっとした衝撃だったけど、nagashimaパパとokano師匠、それにニセmanabuと走れた半日は、フルサイズやkidsとの混走でも、十分入り込めて面白かった。それに今日は、ryoも一…
最後の15分は、約束どおりにokano師匠と一緒に出ていく。一本前の30分を取りやめて、たっぷり一時間半、カラダを休めたせいか・・・並んでスタートしてすぐに仕掛けてきた。ホールショットのRM85Lを、続くコーナーのイン側に車体を潜り込ませて、かわすCRF15…
師匠のラインは“七変化”とはいかない。今も目の前、さっきまでと寸分たがわぬ右側のラインに合わせて、フープスに入っていく・・・「よし!」。ひとりヘルメットの中で気合を入れて、真ん中から少し左に寄った、深くてぬかるみの残るラインに、RMのフロント…
「空いてるよ」手前の駐車場に入らなかったことを少し後悔しながら、建物の前面に並べられたクルマの列を曲がっていくと、ryoがそうつぶやく。見れば、入口からはちょうど死角になった列の一番端に一台分、白線で仕切られた空間があった。「こいつには見えて…
<9/9の続き> 西の空が濃い紫色になって、夜が近づいてくる。駐車場には白のステップワゴンが一台だけ。日曜日だからか、この時間のwestwoodは、がらんとのんびりしている。その横に、ぴったり平行になるようにbongoを停める。ryoはまっすぐ車両部へ、ワタ…
晩夏。書店の“クルマとバイク”雑誌を並べた棚には、250の文字が良く目につく。この前、思わず手に入れた「Under400」も、“軽二輪で行こう”の文字のまま、まだ棚の中に残されている。他に「オートバイ」「ヤングマシン」「モーターサイクリスト」・・・バイク…
二本目を走らずに戻ってきたのは正解だった。まばらだった白い線は、すぐにびっしりと密になって、霧のようにあたりを煙らせた。パドックのあちこちにできた大きな水たまりは、ひとつ、またひとつとつながって池のように広がり、たまった雨が少しでも低いと…
<9/8の続き> 「ワイパーが効かないほどの土砂降りだった」成田方面から、nakaneさんがやってきたのは、もう一度コースに出ようかと準備を始めたときだった。「こっちは降ってないだ。利根川越えただけなのに・・・」言葉ほどには驚いた様子もなく、淡々と…
コンビニの灯りを過ぎ、栄橋に通じる県道を渡ると、再びBongoのヘッドライドが白くアスファルトを照らし出す。すっかり陽が短くなって、龍ヶ崎からの帰り道に宵闇が濃くなる。「二人で走っているところ、想像しちゃったよ。あんな感じなのかなって」隣でryo…
ずいぶん永く忘れていた気がする・・・。 成人男子と大差ない軽さを、慣れ親しんだ二次曲線に載せるRM85L。そのステップに立ち、フロントブレーキを引きずったままシートに腰をつけて、スロットルグリップをひねる。そこからワタシのカラダは、斜め後ろ、リ…
<9/5の続き> まったく可笑しくてたまらない。「笑っちゃうねー。どうだよ、この加速」。フープスの終わり、RM85Lを寝かせたまま右肘を直角に立てて、左に大きく旋回。わずかばかりもズレることなく、黄色の車体は、ただ前へ出る。まるでレールにはまったジ…
北千住を出た急行が、荒川をまたぐ鉄橋にさしかかる。東急田園都市線の旧型車両は、車内に音が漏れる。まるで一昔前の軽自動車のように、レールの上を回る鉄輪と風を切る音が、エンジンノイズと一緒に外から入り込んでくる。そこに鉄橋のにぎやかさが反響し…
<9/2の続き> イバMOTOの常連、KLX110に乗る二人組が、さっそくコースから帰ってきた。曰く「すっごく走りやすい!」らしい。85マシンよりもさらに小さなホイールは、銀色に光っていて、泥もついていない。しかも、二人揃って同じことを言う。saitoさんの「…
フープスは並びかけただけ・・・バックストレートエンドでインを締められて、ダブルジャンプで少し背中をたぐり寄せても、まだ後ろにいる。あとはスネーク・・・だけど、ワダチ嫌いが勝負できる可能性は小さい。それでも何とか離れずスネークヒルを駆け上が…
<8/29の続き> 「ダメだなー。前のペースで走ってちゃ」チェッカーの後、iguchi師匠に怒られたのも無理はない。同じラインをたどっていては、前へは絶対出られない。当たり前のことだ。練習の時は、腰を思いっきり後ろに引けていたフープスも、力んでいるの…
「結局・・・走っちゃいましたねー」3時から、最後の15分を走り終わってパドックに戻ってくると、KTM85SXを押していたuchinoさんから声がかかる。右手で頭をかいて微笑みかえすと、ジャージを脱いだ背中に、雨が落ちた。「見てよ、こんなになっちゃったじゃ…
国道16号線が6号線と交差する「呼塚」の陸橋をくぐり、隧道を抜け、「大島田」の交差点を右に曲がる。すぐに通りの左側にRICO LANDの看板が見える。開店前なのに、“レンタルバイク”ののぼりがたち並ぶ駐車場には、散らばったマシンを囲むようにして4、5人の…