2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

あと1時間

あっという間に2週間が過ぎ、途中に週末があったことさせ忘れかけている。色のない日々に、仕事もてんで進まない。遅くなって戻ってきては、急いで夕飯をかき込み、早くベッドに横になることだけを考える。そして朝がまた、すぐにやってくる。 夜が明ければ…

天晴れ、テレ東音楽祭!

曇り空から落ちていた雨も上がり、暮れなずむ通りを西へ、軽トラを走らせる。最後の川をまたぐ橋にかかり、ようやく乾いたアスファルトがタイヤの下、きしんで鈍い音を立てる。せっかく少し早く帰れた水曜日、少し早く休むはずが、気づけばずっとテレビの歌…

時間(とき)が止まったままの

後輪が外れたままのSXの傍らに、CRF150RⅡがたたずんでいる。鉄製のスタンドに傾げた姿は、こちらもイバモトから帰ってきたまま。そのゴールドプレートのチェーンが、わずかに曇っている。高価なアッセンブリの部品を取り寄せても、組み付ける時間さえ惜しま…

大澄池・・・

毎日鉄板に焼かれるほどではないけれど、曜日の感覚がかすかに薄れ始めた月曜日。せっかくパソコンから解放されたというのに、どうしても気になってはしかたがない。Googleに頼って、キーワードを検索する。途中、検索文字が「変換」されて、ようやくはっき…

単車日和な朝

アルファベットのKの文字があしらわれたキーを手に取り、またすぐにしまい込んだ。 雲が白く掃かれた空は、薄く蒼い。その薄雲の上から、太陽がまっすぐに照りつけて、アスファルトの染みも見る間に小さく消えていく。空の青も濃く強くなって、荒い息づかい…

仕事日和な朝

傘を持つ手に、細かな雨が触っていく。路の上には大きな水たまりが残っているだけ、空の灰色も少し白んできた。交差路にたたずむ電柱に小さな灯りが一つ、間抜けたヒカリを浮かばせている。もうすぐ雲も割れて、今日は暑さが戻ってくるのかな?

終わりなき日々に、雨が滲みていく

乗れない週末を前に、雨音が甘美に響く。それでも遠く、水がめにはその雨音がわずかにしか届かず、取水制限が早くも20%にかさ上げされるという。そして、小さな列島に延びる梅雨前線は、大きく波打ち、蛇行する。 どうも今年は、関東平野を避けて走りたいら…

ビッグエッグの見える街で

電車に乗って我孫子を離れたときは、確かに灰色が空いっぱいに広がっていたはずなのに。水道橋の駅から歩いて出てみれば、強いビル風が辺りを舞い、空は青く突き抜けていた。濡れて黒ずんだ木製のベンチが、さっきまで雨が落ちていたことを教えてくれるけど…

坂の街の底に

雑踏を押しのけて太い通りの横断歩道。白線の帯を蹴って渡る自分が、ずっと昔、確かにここにあった。安物のスニーカーは、底に一枚、革の貼られた靴になり、ヒザの抜けてしまったデニムは、薄い化繊のスラックスに。無造作に尻のポケットを膨らませていた二…

Happy Father's Day

たとえ少し遅れて届けられても、 ゆうパックにくるまれていても、 うれしくないはずがないじゃない。 北の任地の愛息に、しばし敬礼と。

Last chance 2

<6/12の続き> 後で聞いたら、「スターティングマシンに喰われちゃった。自分ではヨシ!と思ったのに」と、nagashimaさんがつまらなそうに教えてくれた。名手をしてスタートに失敗したのは、たぶん錆びて動きの悪くなった鉄製のバーのせい。同じところで去…

あと5cm。 5(完)

<6/17の続き> 1つ周るごとに、コーナーが素早く近づく。そして、フロントとリヤと、ちぐはぐなブレーキに戸惑いながらも車体を翻しては、乾いた山砂にラインを刻んでいく。けして新しいマシンではないのに、周回を重ねるたびに気持ちが昂ぶり、2、3周借り…

枇杷の香る季節

通りの両脇を棕櫚が並んで走る。なだらかな坂をまっすぐに上っていって、助手席の窓から東京湾に浮かぶ陽を眺めながら、Bongoのハンドルに両手を添える。ちょうど一年前、そう言っても一週間ほど早く訪れたときは、梅雨のど真ん中にあって、地面もずっと湿っ…

あと5cm。 4

<6/8の続き> 過敏なリヤブレーキに遠慮して、迫る直角の右コーナーを、右の人差し指だけで引き寄せる。 またもSXのつもりで軽めに引いたレバーに、パッドがディスクローターをこする感触は伝わらず、路面にフロントタイヤが突き刺さる感覚もなく、慌ててバ…

June 15, 1979

DYNASTY Tour。1979年6月15日に始まったツアーは、太平洋を渡ることもなく本国アメリカとカナダで幕を開け、4人はそのまま終わりを迎えた。 オープニングアクトにチープ・トリックやジューダス・プリーストを据えて、人気の高みに上り詰めた先にあったのは、…

梅雨の薄暮の頃に

六時半を過ぎても、太陽が隠れたままの曇天は、薄く明るく光り続けている。ヒカリもない代わりに影もない。濃淡のわからない空が、日長の境をあいまいにして、一日がどこまでも終わらない感覚になる。抱え込んだまま、一つもめどのつかない仕事の束が、アタ…

夜風と蛙の声と

窓辺に落ちたレースのカーテンが、吹き込む西風に大きく揺れている。昼にあれだけ暑かった空気は、夜の帳が入れ替えたように冷たく乾いて、寝室に満ちている。その風に乗せられた蛙の声は、いつしか太くしっかりと耳に届き、路地を通るクルマの音も聞えて、…

x/100

地平の彼方へと消えて無くなる直線路に、天空の先へと九十九折りに駆け上る屈曲路。海上を渡るなだらかな曲線に、地中を突き抜ける暗い隘路。北から南へ。急峻な国土には、うまそうな道がたくさん散らばっている。 ワタシはこのうち、どれくらい走ったのだろ…

Last chance

バックストレートを斜めに駆け抜けて、ギャラリーテーブルを跳び上がる。リヤタイヤを少し左に振りながら遠く視線の先、フィニッシュラインにマイクを片手にたたずむsaitoさんと、抱えた「ラスト1周」のボードが目に入った。「えっ、もう」と声を上げ、もう…

6丁落とし 5(完)

<6/1の続き> 知らぬが仏というやつだ。わかってしまうと、さっきまでの不具合が気になって仕方がない。さらにもうひとつギヤを落とさなきゃいけない進入にも、とことん鈍い脱出にも納得して、3時ちょうど。最後の20分に走り出す。 パドックを後にしたのは…

Only time will tell

6月10日、時の記念日に想うことは、二十歳を過ぎたあの日からいつも同じ。教育実習のホームルームで、時間の大切さを話す蒼い自分。そして、ASIAが奏でる透きとおったサウンドだ。Only Time Will Tell、邦題は時へのロマン。そう、時が経てばわかることは、…

ああ、忙しい・・・ 4(完)

<5/30の続き> ゆるんだ山砂と、どこまでもフラットなCRF150RⅡに、少し慣れすぎた。 渇いたコーナーが、弾くようにSXのリヤタイヤをすべらせる。CRFなら3速に入れたまま、たぐり寄せるように回ってくれるはずが、細いトルクを突き抜けるように吐き出す2スト…

あと5cm。 3

<5/29の続き> 借り物の青い125ccは、身長も体重もワタシのはるか上をいく体躯のtakahiroくんの愛機。そのカラダに合わせた広めのハンドルバーには、うまくカラダを預けることができず、フープスセクションへの下り、荒れた路面にフロントはバタつくばかり…

気配

梅雨に入って三日目。雨らしい雨のない日に、ようやく水の気配が漂い始めた。低く薄く張られた雲は、わずかな陰影も見分けがつかないほどに柔らかく灰色に延びて、太陽はその向こう側に隠れてしまった。細く開いた運転席の窓ガラスを抜けて、吹き込む風は少…

あと5cm。 2 ~番外編~

4:30から6:30まで、oneの背中が笑ってる。 べらぼうに遅いのは、ご愛嬌。 Special thanks to yellowheart76. 2016.5.29 MX408

揺れる想い

床に置き去りにされた工具と、チェーンの空き箱。倒れたままの脱脂洗浄剤。本番車の居ないガレージで、CRF150RⅡが来週のレースに向けてセットアップされていく。ボルトの外れたシートは、ただ乗せられているだけ。どこか雑な雰囲気に、揺れるココロが透けて…

水無月の朝

晴れた六月はいい。陽が昇りはじめたばかり、それも休日の朝なら格別だ。まっすぐな陽射しに黒い影が落ちて、人も街もまどろみの中。肌に触る空気のようにひんやりと、静かに時は動いていく。薄くまぶたを開いて見上げれば、空は遥かに青く、眩しかった。

44になりました 4(完)

<5/28の続き> これだけの人が集まれば、きっと誰かが拾ってくれるはずとでも思ったのだろうか。自分のところでは飼えないからと、顔見知りに声をかけては里親を探す#31さん。とんだ災難と思っているのかいないのか、まるで我が子のように大事そうに抱えて…

Here we are, we are one.

この4ヵ月後、獣神たちが千葉に舞い降りる。 幕張の興奮よ、再び。 THIS DAY IN KISSTORY 2013

6丁落とし 4

<5/26の続き> 「これって・・・ちょっと小さくないですか?」 このところ、すっかりMX408の主となったtakadaくんが目の前、同じマシンのリヤタイヤをのぞき込んでいる。前後のスプロケットと、チェーンはRKのシールチェーンに換えたばかりのCRF150R-Ⅱ。そ…