2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

似合う、似合わない?

こないな色が似合うようで、そうでもない。まつ毛のエスクテだって要らないくらいに丸くて大きな瞳と、つい真似をしたくなる関西弁。浪花のsumiちゃんは、歳を重ねた今も、本当によく笑った。 次に会える日も、きっと同じことを想い、その指先に視線を止める…

明日で・・・

桜が花開くほどにゆるんだ春風が、霞んだ空に漂っている。いつもなら、脱いだコートと一緒にスーツも袖から落として、仕事にかまうことなく、ふらり平日の街をすり抜けて走り出してしまうのに・・・そうもできないまま、気づけば弥生も明日でおしまい。心惑…

Forever

10年後にryoが生まれて、2人で4人のステージを見にも行った。あの日から38年。今でもワタシの耳には、彼らの声が流れて、ココロを躍らせている。もちろん、アライブⅡも。 The hottest band in worldは永遠に。

ウインドウ越しに

思いがけずryoの暮らしぶりを覗ける場所までやってきた。病室から見る風景は、背の低い鉄製の柵で囲まれ、外からすっかり隔離されていた。その敷地の内に建つここも、迷彩の同じ匂いがする。そんな遠き特異な世界で独り、一年を過ごしてきたことに誇らしさを…

3月最後の408

machi-sanにも会えて、kenyaさんにもちょっぴり遊んでもらえて。パドックには雲間から春の陽射しがまっすぐに降りてきて、路面は褐色に乾いた砂に覆われて。しばらく留守にしてたMX408。こんな日曜日があっても悪くない。

4時間2分

中途半端に近づいた北の大地。旅情にひたるには、ブ厚い窓ガラスはあまり小さく、向こうの世界の匂いは届かない。せめて時間を潰す趣向でもあれば心安いのだけれど、旅費にも事欠く人間には、持ち込んだつまみで酒を呑むくらいが関の山。空の上で小さく我慢…

8時26分発こだま

「浜松ならひかりがあったかもしれませんね」 名古屋行きのこだま、3列シートの窓側に座ったワタシの横には、ブリーフケースにカーキ色したティンバーのマウンテンパーカーが被さるように置かれている。二人連れに気づき、あわてて投げ出した荷物を手に取る…

いつかの

乗降ドアのてっぺんからアタマ一つ飛び出た偉丈夫が、腰から上を屈めるようにして列車の先頭に立ちすくみ、運転席の窓越し、走る線路をのぞき込んでいる。西に向かうそのフロントガラスには、大きな杏色がまばゆく弾け、男の頬もうっすら紅く染まっている。…

二分咲き

ヒカリがこれほど似合う花もない。黄と緑に陽射しは色濃く弾け、辺り一面が明るく光りだす。雑草らしく、陽を浴びれば次から次へと芽吹き、一気に花を開かせる。開いた花は、雨に打たれても風にさらわれても、いっこうに散るそぶりがない。桜の前に咲き始め…

Another tomorrow

真っ白な雪の峠を降りてきて、黒く塗れたアスファルトを走り、ちぎれた金属製のチェーンを道端に置き去りにして、二人、初めての宿の戸を密やかにくぐった夜のことを・・・彼女は、今も覚えているだろうか。もう25年も前の初めての夜のことを。 <つづく>

仇桜

明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは 確かに、そのとおり。 この世は無常なり。

春分

ぼんやりとしているのが、陽射しなのかぬくもりなのかよくわからないほど、春めいた日曜日。なのに窓越しからヒカリの揺らめくのを眺めるだけで、ほとんど一日をパソコンの前で過ごした。午後4時、ようやく一区切りついてガレージのシャッターをギシギシ跳…

明日晴れやかに

明日晴れたら、外に出よう 明日晴れたら、影を踏もう 明日晴れたら、菜を見よう 明日晴れたら、馬に乗ろう 明日晴れたら、晴れやかに

風の春

かすかに湿った強い南風が、テレビから流れるピアノの旋律にかき消されていく。遮光の分厚いカーテンを開き出窓から外をのぞき込むと、弱い外灯の下でアスファルトが、黒く沈んでいた。窓を鳴らして風は流れ、白い蛍光灯の灯がゆらり揺られて、GROMを包む銀…

半分、と。

濃密な弥生も半分が過ぎて、ようやく折り返した。桜吹雪を思い出させる、極端に暖かな日がやってくるようになり、朝と夜、平日と休日、すべての境がどんどん薄くなっていく。自分がいったい何をしているのか、アタマの中もますますぼやけていって、一瞬、白…

子どもか

「短気だね」 若い頃、よく聞かされた台詞。それを半世紀も生きた今になって、しかも派遣先の部長に言われるとは、まったくあきれてしまう。ただ、筋目が通らないのでは、上も下も関係ない。そのひとことで少し遊ぶことになったとしても、やはり黙っているこ…

やっぱり、ね。

そう言われて選ぶとすれば・・・やっぱりRock cityなのかな。いくつものツアーでオープニングに流れたツインリードのリフに、いくつもの夜、小さなココロを躍らせた。土曜の夜じゃないけれどFeel up tonight。元気出していこうぜと、ポールが叫んでいる。

5年続いた結婚だけど・・・

「幸せになりたい」って曲があったっけ。 彼と別れて友達の住む町に戻ってきた、バツイチの彼女を慈しむ詩を、オフィスの中でもとびきり可愛かったitoちゃんが、伸びのある乾いた声で歌っていたっけ。 思わず目にした黄色の車両は、見る者を幸せにしてくれる…

Tomorrow

休日をすべて返上しても、まったく仕事が追いつかない。ずいぶん経験したことのない緊迫した感覚に、つい焦りが出てきて、キーを叩く音はさらに途切れ途切れになる。こんな時、よく聴く曲がこれだ。ポールが書くアップテンポは、明日に思いを馳せられる明る…

FAREWELL

このツアーにryoを連れて行ったのが、ずっと遠いことのような、ついこの前のような・・・。 「父の古くからの友人がアメリカから来るので・・・」という理由で小学校を早引けさせてから16年。16年というのは、ずいぶん中途半端な長さらしい。このときす…

あの日から

途中、隅田川で“津波”に遭遇するも、水道橋から大袋までを7時間かけて走破。大袋からはkeiとryoに救出されて、午後11時47分、無事帰還。 あの日から5年・・・。 街に灯りがともり、レギュラーガソリンは100円/Lを下回って、スーパーには食材があふれる。何を…

3年目

またひとつ、年を取る。 ひさしぶりに波風の立つ一年を乗り切って、ようやく落ち着きを取り戻したはずの日常が、にわかに激しく突き動かされる。どうやら続く一年も、ゆったり構えているわけにはいかないらしい。それならいっそ、そんな流れを糧にしてきた若…

つかの間、空の上から

スマホの電源を切ってしまったことに後悔しながら、A4サイズほどの小さな窓からはるか下を眺めると、昼光色の破線がゆるやかに弧をくねらせながら二本、闇の中を走っていた。辺りには、それに群がるようにヒカリの粒がきらめき、破線は所々で赤く充血した…

K.S

カラダが落ち込む日々。彼がワタシを内から強くする・・・。

感謝 2

恵みの雨は降らず、コースは上質の仕上がり。すり切れた思考とくたびれたカラダでたどり着けば、パドックには気の許せる仲間が揃い、ムキになるなと言うのが無理だった。おまけに先週の名残がアタマの片隅に残っていては気持ち裏腹、すっかり均衡を崩した走…

感謝

左に一回、右に一回。二回目の右は、ブレーキレバーを握ったまま、アタマから地面に落ちた。ようやく新しい皮膚に覆われてきた右ヒジを、自分でまた大きく擦りむいてしまった。 <つづく>

沖縄

生ぬるい風が、雨を浴びて白く流れていく。かすかに潮の香が残り、海を近くに感じる。季節外れの通り雨は、春雨と呼ぶにはあまりに勢いがあって、街は煙に包まれる。切妻の造形を見かけることもなく、低い二階建てが灰白いコンクリートで四角く積み上げられ…

蒲田の朝

まばらなスーツ姿が、まだ湿り気の残る通りに、靴音を響かせる。駅前に向かって斜めに延びる直線には、少しやれた色のタイルが2色、互い違いに並べられている。ところどころに吐き捨てられたチューイングガムが黒く染みをつけていて、またぐ通りにも土は見…

桃の節句!?

ひなまつり?耳の日?もちろん、それだけじゃない。 誰もがうらやむ自由人、我らがヒーロー両津勘吉の誕生日だ。唯一の汚点と本人が言ってはばからない「女の節句」には、幼い頃の悪行がたたってか、毎年ひどいことばかりが起きる。そんな日にふさわしく、ワ…

杉の木立に包まれて

見渡せば枯れ色をした竹林のすぐ後ろ、葉先を赤茶色に染めた杉の木が、澄んだ青に林立して映っている。コースからパドックに戻り、ゴーグルを外してヘルメットを脱ぐと、途端に鼻の奥がむずむずして、何度もくしゃみを繰り返す。折から強めに吹く風は、開け…