2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

武者修行と言うには・・・あまりに情けなく~最終話1/2

赤土を踏み締めると、地面に水分が上がってくる。整備のために入ったブルドーザーは、まるで散水したかのようなしっとりとした路面を作り出していた。雲が厚みと灰色を増してきた午後1時、早々と上がりを決め込んだkazuを残して、水気で滑りやすくなったコー…

武者修行と言うには・・・あまりに情けなく~第七話

しばらく後ろに着いて、こちらもわかったことがある。下りで差が詰まるということに。“惰性”で走っているのか、加速せず、坂の途中からはエンジンブレーキをかけて次のコーナーに備えているようだ。ここだけで、師匠の背中がぐっと近く、大きくなる。ただ、…

武者修行と言うには・・・あまりに情けなく~第六話

<2/24の続き> 「そう来なくっちゃ」。後ろから馴染みの音がくっついてくる。追い風に思うこともあれば、ときに気持ちを急かせて“乱れ”を誘う魔性の音。今日は、ちょうど、その中間ぐらいだ。視界に入ることなく、排気音だけを響かせるCRF150RⅡ。適当な緊張…

招かざる“春の厄介者”がやってきた

光が満ちて、何でもできる気にさせてくれる。天気予報どおり、人も街も、春の陽射しに眩しく照らされている。ガラス張りのしゃれた高層ビルに太陽が映り込んで、思わず目が細くなる。見上げると、飛行機雲がすうっと伸びていて・・・空はどこまでも上品な青…

武者修行と言うには・・・あまりに情けなく~第五話

肩口から太もも、ブーツにかけて、しっかり泥がこびりついている。そんな泥汚れを指さして、高笑いのkazu。その横でiguchi師匠もニヤニヤしている。どいつもこいつも・・・悔しいったらありゃしない。それでも、しばらく話し込んでいると、右肩の痛みが和ら…

武者修行と言うには・・・あまりに情けなく~第四話

コーナーのたび、隙をうかがうようにフロントタイヤをちらつかせるkazu。絡んで走るのは昨夏の“モトパーク森”以来、フルサイズマシンにも慣れて、調子は“右肩”上がりのようだ。林の中、下り坂で一瞬離れるものの、全域で速度が乗っているCRF。午前中、それも…

武者修行と言うには・・・あまりに情けなく~第三話

二周だけ、用心しながら走ってみる。開け始めに気を使うものの、奥の林の中が、“初乗り”の時のようにコースアウトを誘うことはなかった。葉を落としていると言っても、木々に囲まれた“谷田部エンジョイスポーツランド”は、コースの半分が日陰。木曜日の嵐の…

武者修行と言うには・・・あまりに情けなく~第二話

ちょうど向かい側、コースに近い場所に、知った顔と青いマシン。#82はバーニーさんだ。YZ250Fを降ろして、エアエレメントの取り替え中かな?寒さとさえない空模様で、すぐにはRMを降ろす気にもなれず・・・助手席でぐったりとしていたネロちゃんを連れて、バ…

武者修行と言うには・・・あまりに情けなく

重たい空。切れ間もなく、見渡す限りの灰色。田んぼの中に続く、細く長いアスファルトは、視線の先で空に同化している。行き先は“谷田部エンジョイスポーツランド”。荷室には#274を付けたRM85L、助手席には紫と黒で塗り分けられたバスケット、中でネロが丸く…

十津川警部と亀さんを見られただけでも

朝の太陽に、なぜか安心して二度寝。次に目が覚めたときは、すでに9時を回っていた・・・少し「寝すぎた」。慌てて起き上ろうとしても、身体をベッドの脇に寄せるには、右肩を下に半身を捻らなければならない。ずっと関節痛が続いているから、ベッドから這い…

タバコを吸っていたら・・・もっと雰囲気があったかも?!

春雷。雷こそ鳴らないものの、激しい雨と風。テレビに映し出された女性キャスターが、横殴りの雨に煙る新浦安の駅前から、元気にレポートを続けている。いつものREGALを靴箱にしまい込んで、今日の供はAVIREXのYAMATO。アウターもダウンジャケットからレイン…

ちょっぴり寂しい誕生日

たぶん今日、帰ってくるとケーキがあるんだろう。15本のローソクと一緒に。そんな思いを胸に家を出る。その主役は、薄いガラスに挟まった一枚の写真。地面にべたーっと腹ばいになって、アゴを突き出して、ドングリ眼で前を見ている。何枚もある中で、一番タ…

夕べの話

風邪を引いた。いつもとは感じの違う、質の悪いやつだ。高熱が出るわけでもなく、のどが腫れるわけでもなく、頭が痛くなるわけでもない。37.5℃の微熱と下痢、吐き気・・・およそ大人になってからは経験した覚えのない、どこか子供の頃を思い出すような症状が…

白く明るい光の中で・・・

少し寝坊できると思っていたのに、まんまと目論見が外れてしまった。夜明け前には雪が雨へと変わり、アスファルトの雪は、こぼれたかき氷のように、ビチャビチャと形を失い始めていた。そのくずれた氷を踏みわけるようにして、新聞配達のバイクが走っていく…

ホワイトバレンタイン

アスファルトから跳ね返る雨音が聞こえなくなって、いつしか夜は明るさを増していた。ホワイトクリスマスならぬ、ホワイトバレンタイン。あと20歳若かったら、きっとはしゃいで過ごす街の灯りが、降りしきる雪の粒をぼんやりと映している。花粉症にとっては…

雪が解けて・・・もうすぐ春ですね♪

空いっぱいに広がる青。三日目にしてようやく姿を見せた太陽。雨上がりの北風が、水気をまとって指先に冷たく絡みついてくるけど、溶けこんだ陽射しに強ばった身体がゆるんでいく。遠く東に佇む筑波山が、暖かな光を受けて、枯れ木色の南面をほんのりと赤く…

デタラメで笑いあふれる土曜日♪~いつものバトル編

残りは最後の10分。身体は十分満足しているはずなのに、しばらくMX408を離れると思うと何かやり残したような気がして・・・不思議と気持ちが高まってくる。今日で魔法の券が切れるiguchi師匠も、珍しく最後まで走る気満々!14時ちょうど。揃いのウェアに身を…

デタラメで笑いあふれる土曜日♪~アクションジャンプ編2/2

ふわっと浮き上がるRM。リヤブレーキを踏む前提なのに、それほどフロントが上がっていない。それでも、えいっと無理矢理身体を上に伸ばす。そして、クラッチレバーを握ってから、右足で“ちょん”とブレーキペダルを踏みつける・・・瞬間、フロントタイヤが下…

デタラメで笑いあふれる土曜日♪~アクションジャンプ編1/2

ジャージの下に着込んだシャツが邪魔になるくらい、気温は順調に上昇。ただ、調子の方は、気温ほどに上がることはなかった。思いっきり加速できないのは、右肩に転倒の爪後が残っているから。今回は、ちょっとばかり根が深い。得意の上り勾配も「転けたら右…

デタラメで笑いあふれる土曜日♪~麗しの黒木メイサ編

「じっくりコースウォークしちゃって・・・IA(国際A級)みたいじゃん」。言うね、ざりぱぱ。あきらめていたステムナットが見つかって、すっかり有頂天。いつになく舌もなめらかで、よくしゃべる。 昨夜は「ワーナー・マイカル・シネマズ守谷」で映画鑑賞・…

デタラメで笑いあふれる土曜日♪~わらしべ長者編2/2

とりあえず立ち上がっているmori-yanがコースに戻ってこないのは・・・マシントラブルだろうか。すぐにフリー走行終了のチェッカーが振られて、短めの、それでも全力の走りに満足しながらパドックへと引き返す。気温も上がって、額には汗が浮かんでいる。肌…

デタラメで笑いあふれる土曜日♪~わらしべ長者編1/2

「クラス分けだって」。そう言い残してコースに入っていくニセmanabu。関東選手権まで1ヶ月を切って・・・抑揚のない言葉に少しだけ緊張の色が見える。まだ早いだろ?クラス分けの前には、“鬼門”の散水が入るらしい。先にパドックに戻っていたiguchi師匠も、…

デタラメで笑いあふれる土曜日♪~落し物編

イバMOTO仲間のmori-yan、ワタシよりもさらに遅れて来たokano師匠、二週続けてMX408のざりままさん・・・愉快なミニモト仲間が勢揃い。関東選手権前で“速目”な子供たちに交じって、落ち着いた?!走りを見せつけるはずだったのに・・・笑わせてくれたのが、ざ…

デタラメで笑いあふれる土曜日♪

3月の気温、春の陽気・・・ただ、それは、昼間の話。朝は相変わらず冷え込んでいる。霜柱が土を押し上げているあぜ道は、スニーカーの底に踏み応えのない感触を伝える。タロが居なくなって、シロとネロもどこか寂しげな、いつもの散歩道。「積み込むのはRMだ…

まだ早かったけど・・・意外と走れた日曜日~“午後になって”編~2/2

今年に入ってから、俄然やる気のokano師匠。今日も元気がいい。ちょうど短いストレートの分だけ離れていた赤い車体は、周回ごとにジリジリと近づいてくる。気がついてみれば・・・いつも間にか後ろにぴったり着かれてしまった。右肩の調子は悪くない・・・舐…

まだ早かったけど・・・意外と走れた日曜日~“午後になって”編~1/2

<2/1の続き> 空が雪雲に覆われて、灰色にかすんできた。風は相変わらず北から吹いていて、コースの土を巻き上げている。陽射しが陰ってしまうと、まるで「荒野に舞う砂塵」、枯れ色した真冬の光景だ。色の無くなった視界に、散水車の放水が白く柔らかな放…

誕生日までもう少しだったのに・・・ありがとうね!タロ

いつもそう。「してあげられることが、もっとあったんじゃないか」って・・・。春日部のmitoちゃんからもらってきた、メスの子犬。命名タロ。小学生だったryoが付けた名前がいけなかったのか・・・秋田犬混じりの雑種は、性格が“男勝り”。自己主張が強くて、…

まだ早かったけど・・・意外と走れた日曜日~“午前中”編2/2

フープスを越えてS字コーナーを抜け、下った先にある直角のコーナー。陽射しを浴びて黒光りするバンク、そこから滑り落ちた細かな砂が、平らになったところに溜まっている。バンクに寄せ切れず、砂の上にフロントから突っ込んだ瞬間だ。一気に車体が滑り、右…