明けの三日月が藍色の空に白く傷を付けている。ネロが何度も何度も、後ろを振り返る。そのたびに体を引かれて、かざした右の手のひらの中、スマホのレンズは焦点が合わず、小さな被写を仰ぐ林の静けさは、うっすらとにじんだまま。あきらめて歩き出す黒い小…
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