2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

夏の終わりのキセキ 3

立ち上がった先に、小さなテーブルトップジャンプ。あまりに近くて、びっくりさせられる。跳び上がりもしないで、そのまま台形の軌跡をなぞっていくと、すぐに右に180°。インフィールドの入口、第二コーナーに比べたら・・・半分ほどに狭くなっている。そし…

夏の終わりのキセキ 2

MCFAJの第8回大会は、ここMX408で9月に予定されている。なのに、しばらく雨が続いた週末。出走ライダーが大挙してくるとは想像していたけれど・・・まさかここまで“青い”のばかりが揃うとは、思いもよらなかった。なつかしい顔ぶれに、見覚えのあるマシン。…

夏の終わりのキセキ

「お前の故郷、逆回りになったんだよ・・・」。西の空に陽が落ちて、夜になるまでの淡い光と色の中、ネロを連れてあぜ道を歩いていく。速いか遅いかは別として「ホームコースだ!」と言い張れるMX408は、走り始めた頃の回りに戻って・・・少しだけ悩ましいコ…

2011夏~RIDE DAY End

※今日は・・・ひさしぶりのMX408でイバMOTOでした。その話は・・・明日にでも! ## Camp's real face 全日本モトクロス、レディースクラスのチャンピオン。ゼッケン“1”をまとう益春菜選手。スクール講師のはずが、肩を怪我していて・・・今日は走りを披露し…

2011夏~RIDE DAY 3

## Thinking Ptolemaic theory in lunch time 昨夜のうちに茹で上げたそうめんは、コシが無くなっていて・・・・ブツブツとちぎれてしまう。それでも、氷水で割っためんつゆにつけて、ズズッとすすれば、火照った体も冷めていくようだ。太陽が少しずつ居場所…

2011夏~RIDE DAY 2

## Something is missing 走行時間は45分区切り。ホームコースのMX408で言えば、2回分になる計算だ。ryoから遅れること5分・・・PURETECHでオーバーホールしてもらったフロントフォークと、新品のブリジストンに履き換えたリヤホイール、武装したRM85Lが、モ…

2011夏~RIDE DAY

少しは盛り返しているようだけど、息苦しいほどの真夏はどこかに消えてしまった・・・。 全日本モトクロスレディースのカレンダーはryoの部屋に貼られ、ZOILのグリーススプレーとパーツクリーナーはガレージのケミカル置き場に並べられ、IAルーキー飯田義明…

8/9のキオク~終

白根山の駐車場を横に見て、ここからは草津まで一気に駆け下りる。蛇行するアスファルトを眼下に眺めながらの「下り」は、お気に入りのひとつだ。途中、土石流紛いの峡谷の上、白根山ロープウェイのキャビンが、浮かび動いている。白い機体を見上げると、小…

8/9のキオク~3

世話になりっぱなしの「西正」に短く礼を言い、予想をはるかに超えて長居になった渋温泉を出ていく。和合橋から延びる坂道を上って、国道292号線(やっぱり「志賀草津道路」と呼ぶ方がしっくりする)に入った時は、もう午後の一時を回っていたはずだ。本格的…

8/9のキオク~2

この通りを流すのは、これで何回目だろう・・・もう数えるのもおっくうなくらい往復している。それでも、特典でもらった“温泉無料引換券”、せっかくだから「入ってこいよ」と、ryoの背中を叩く。どうせなら「“露天”がいいんじゃないか」と付け加えると、“貸…

8/9のキオク~1

<Summer Vacation~8/9の続き> 空腹を抱えて待ちくたびれたワタシの前に、ニコニコとryoが歩いてきた。もちろん、首から赤いカードをぶら下げている。向こうもぶらつき通しで、一息つきたいところらしい。渋高薬師と、その先にある毘沙門天の話をすると、…

8/8のキオク~終

暗くなったと言っても、まだ午後の9時を過ぎたばかり。温泉街の目抜き通りが歩行者天国になっていると、街頭のスピーカーから女性の声が聞こえる。外湯巡りのついでに、ぶらつくのも悪くない。帳場で外湯の鍵を借りて、表玄関から石畳の続く小径へと繰り出し…

8/8のキオク~6

長野オリンピック以来、立派なバイパスになってしまった旧「志賀草津道路」、今は国道292号線の長い上り坂を走る。「戸狩・湯田中IC」で左に下がり、案内どおり横湯川を渡って、右に折れていく。渋・湯田中温泉は、その川沿いに延びる細長い温泉郷。上流に向…

8/8のキオク~5

信号待ちをしていると、ryoが左手を叩き、国道に面した店の“お品書き”を指さす。栗ソフトクリーム・・・260円とある。信号が青に変わってから、ちょっと広めな交差点の角にマシンごと乗り入れる。そのままマシンを置き去りにして、早速店の方へ歩いてみた。…

8/8のキオク~4

県道に出て、予定どおり、麻績村から国道403号線で千曲市に向かう。聖高原を過ぎて、千曲高原を縫うように走る道からは、眼下に千曲川の流れと、そこに寄り添う千曲の市街地を一望できる。緑の敷物の上に、道路と小さな建物と川の流れ、その奥に連なる山々を…

8/8のキオク~3

ツーリングマップルに「旧道に千体の石仏が」と記されていた、その旧道に寄り道したまでは良かったけど・・・曲がったところが良くなかった。クルマが通れる道幅だったのは、最初の百メートルほど・・・道はどんどん細く、草まで生えてくる始末・・・「この…

8/8のキオク~2

走るにも歩くにも、陽射しが眩しくて敵わない・・・。歩道を十数メートル戻って、遠目に売店を覗き込んでみる。真ん丸としたスイカが台の上にいくつも並べられていて、ちょっと食べさせてくれそうな雰囲気じゃない。その奥で目が合ったのは、短い髪を金色に…

8/8のキオク~1

<Summer Vacation~8/8の続き> 岐阜と長野の県境に建つ「峠の茶屋」は、風雪に耐え過ぎたのか、外塀の塗装がすっかりはげている。新しくトンネルが出来たおかげで、その役目を終えたように、ひっそりと道端に佇んでいるだけだ。手を伸ばせば、空の青に触れ…

8/7のキオク~終

※今日のRIDE DAYも楽しかった。そちらの話は後日改めて! 目の前を走るクルマのブレーキランプも識別できない。平湯温泉がすっぽりと豪雨の中だ。木々に遮られることも無いから、山で出会うよりも性質が悪い。安房峠道路の出口、国道158号線と471号線が交わ…

8/7のキオク~3

さわんどを過ぎ、トンネルとトンネルの隙間に立つ坂巻温泉を左に見ながら、安房峠へと向かう最後のトンネルを出た瞬間・・・ゴーグルのレンズに水滴がはじけた。トンネルの天井からではない、低く垂れこめた雲からだ。その後も、ひとつふたつと、雨粒がゴー…

8/7のキオク~2

勘というものは、簡単には戻らないようだ。松本インターに出たいだけなのに、あっさりと迷い始めた。地図をよく見ないで走り始めたことに、後悔はしても、こう暑くては停まる気がしない。道の広さとクルマの流れを頼りに走り続けても、一向に緑色した「松本…

8/7のキオク~1

<Summer Vacation~8/7の続き> 道にせり出すように伸びた枝葉の下、わずかな木陰を抜けるたびに“涼”を感じるのは、バイクならではの優越。見下ろす鏑川の底が、ここからでも透けて覗ける。アユ釣りの棹を渡していく仕草も、今日は涼しげだ。国道254号線を…

Summer Vacation~8/9

山から吹き下ろす風は、涼しさを抱えたままだ。陽射しに照らされた首筋に触れては、横湯川に沿って、さらに下っていく。夕べ、薄暮の中に鳴いていたヒグラシを追いやるように、ミンミンゼミが森から街へ、やかましく声を震わせている。日陰に置かれたプラス…

Summer Vacation~8/8

朝の雲はいつしか消えて、ビジネスホテルの小さな窓いっぱいに、青が広がる。高山の駅舎の屋根が、白く光始めた。出発を前に二人の悩みは・・・経路。7時を過ぎても、まだ決められないでいる。平日の今日、富山市街を抜けて、そのまま8号線を北上するのは、…

Summer Vacation~8/7

ざっと350kmぐらいか・・・予定していた平湯の宿が、都合でその日は営業できないと言う。結局平湯では同じような宿を見つけることができず、高山まで探す範囲を広げて、ようやく見つけられた。長くなった数十キロの分だけ早起きして、ネロとシロを連れていつ…

Summer Vacation~8/6

締め切りに追われて、PURETECHに預けている“前脚”を取りに行けなかった・・・。新しいブリジストンのリヤタイヤに履き替える時間も無くて、週末を迎えても、RM85Lは、前後のホイールが外されたまま。センタースタンドに乗って、ただ、ブラブラしているように…

イチ押しが“石川秀美”だった頃の話~後編

虹色に光る盤面が妙に期待感を煽る。レコードでは上から針を落とすところを、CDはその光輝く面をレンズが読みとっていく仕組みだ。それすらも知らず、上下さかさまに乗せようとして危うく恥をかくところだった。説明書どおりにCDを取り付けて、天板のカバー…

イチ押しが“石川秀美”だった頃の話~前編

『イニシエーション・ラブ』という小説を読み終わったばかり。物語は80年代を舞台にしていて、覚えのある光景がそこかしこにちりばめられていた。引き込まれていったのは、そうした時代背景もあるはずだ。 初めてCDに触れたのも、ちょうどその頃だった。ポー…

7月最後の日曜日~後編

誰もがリタイヤを確信した中、ライダーとマシンは違っていた。おもむろにマシンにまたがり、ハンドルを二度、三度と左右に振ってから、左手でセルボタンを押し続ける。キュルキュルキュルルルッ・・・セルモーターの回る音が、遠く、コースの脇で見守る耳に…

7月最後の日曜日~前編

過ごしやすい夜を重ねているうちに、8月になっていた。もう2日だ。今朝も、開け放った窓からそよぐ、涼しさで目が覚める。8月らしさは無い。そして、起き抜け。7月が終わったことに、何かを忘れている気分がした。 テレビの天気予報が、大型の台風が近づいて…