2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

少年時代

陽水の声音が沁みる。夏祭り、宵闇のひぐらし・・・・・・今年もまた、夏の夜空に花は見られずじまい。ただ、雷鳴が轟いて、閃光が走るだけ。

忙殺

忙殺された一週間。その間にryoと羽田に行けたこと、YZ125に乗れたこと。そして、何よりコロナワクチンを接種できたことは、奇跡でしかない。夏風邪をこじらせて七転八倒したのは誤算だったけれど・・・・・・。 まだ快癒しない身体を引きずって、再び一週間が始ま…

移ろいの間

垂れた稲穂が西の光にさざめいて、その上を、つくつく法師の声音がわたっていく。絹雲が空の青を刷くように、風が畦を流しては、辺りの暑気をさらっていく。気づけば陽が傾くのも、ずいぶん早くなった。つるべ落としとなるその前に、もうひと暴れしてくれる…

つかの間

三日というのも、あっという間だ。親子水入らずも今日が最後。早めに到着した空港、その搭乗口でさっと見送り、keiとネロと来た道を引き返していく。「ちょっとさみしいな」。初めてryoのアパートを訪れたとき、帰りしなにつぶやかれたフレーズが、今よみが…

親心

飲み過ぎた。こんな日もあるよね、人の親なら。

お帰り

いくつになっても、我が子は子どものまま。ryoがラインアップに戻った我が家は、いつになくにぎやかだ。keiと迎える三人のフォーメーションが、しっくりと落ち着く。今宵は少し、飲みが過ぎたかもしれない。短い至福を、ロックでいただく。

2021年8月19日

8月19日。今日は語呂良く、バイクの日。ただ、週の中日の木曜日じゃ仕事も佳境、テレワークの身でも、なかなかわがままには振る舞えない。蒸し風呂のようなガレージをのぞき込み、「こんな日にオマエに乗れないなんて」と独り嘯いても、それほど気分が下がる…

誕生日、おめでとう

お兄ちゃん・・・・・・。 年の離れた弟をRZ250のタンデムシートに乗せて、富山から能登半島を巡り帰ってきたあの日からもう、四十年になる。帰り道、調子に乗ってバンクさせ過ぎて、バックステップを路肩にすり付け、肝を冷やしたのを思い出すと、今でも胸が痛く…

終わるわけがない

午後も遅くになって、わずかな雲の隙間から、澄んだ青が現れた。梅雨とも秋雨ともつかない中途半端なこの時期に、亜熱帯を思わせる激しい雨。散々な爪痕を残したその「前線」の尻尾が、その窓からは覗けるよう。雨は上がり、海風に乗ってまた、夏が舞い戻っ…

うれしいやら、かなしいやら

「土日ってモトクロス、行けるの?」 三年ぶりの帰省に、やっぱりモトクロスなのかと嬉しくなるやら哀しくなるやら・・・・・・他にないのかね、この三十路の男にはと、心配になる。 それでも、次の日曜日、コースに集まってくれるモトクロス仲間がいる。TEAMナノ…

まだ、だろ?

あきれるほどの雨がようやく上がって、宵が街灯にぼんやりと浮かび上がる。送り盆もまだだというのに、閉め切った部屋にいても、シャツ一枚では心許ないほど。それが、ひどく切ない。せめてryoが帰ってくる頃には、また、真夏の光が届けばいいと願っている。…

倦怠期

週末、お盆、夏休み。 自粛、大雨、大仕事。 土曜の朝、せっかくの休日に流れる雨音は、やる気の出ない仕事のBGMにぴったりだ。日曜日まで降り続くと言うから、手持ちの仕事はだいぶ片づくことだろう。クライアントだけを喜ばせるのは少々癪に障るけど、それ…

マルテ珈琲焙煎所 2

飴色を深くした引き戸に近づいただけで、それとわかる匂いが、外までほんのり漂っている。蔵造りの建物に似合った少し重たいその木戸を引き、ゆっくりと敷居をまたいでいく。立ちこめるのは、燻されたような香ばしい香り。そして、目の前の狭い空間には、円…

マルテ珈琲焙煎所

長野にある小布施は、古の面影をいくつかの小径に残す、麗しい街だ。善光寺からほど近いここは、「栗の街」としてもつとに有名で、休日は多くの観光客が通りを賑わせる。酒蔵もワイナリーもあって、いつ来ても飽きることのないこの街に、行きたくても行けて…

いつになったら

西の陽が雲間に隠れてもまだ、昼の熱がシャッターの奥にこもるガレージ。その暗がりに、独り立つ。マシン三台が、何も言わず、定位置に整列している。どれにももう、しばらく乗れていないか・・・・・・。明日の夜からまた、梅雨のような日々だと天気予報士が言う…

キネマの神様

映画、それも邦画を映画館で観るなんて、『汚れた英雄』以来無かったこと。数十年ぶりに、そんなことを思わせるのは、新聞への広告展開が成功したのかもしれない。ただ、その気持ちが素直なことは確かで、主題歌にもハッとする歌詞があったりと、ひさしぶり…

その香りに

何年、いや何十年ぶりになるだろうか・・・・・・再び、珈琲に夢中。それも昨日の今日、瞬く間に燃え上がった。ひとまず手動のミル。これはアウトドアでも使える小作りの一品を、これまた折り畳み式のドリッパーと併せて、ネットショップでカートに入れて即決済。…

また来年の夏に

旅の終いに、朝から太陽が照りつける。空には怪しげな灰色が帯をなして、時折その強い陽射しを遮り、路傍の草が音を立てる。そのたびアスファルトが陰影をなくして、ざらついた鈍色を海岸へと落としていく。ネロを連れて歩く、出立に不似合いな晴天。いっそ…

おかあさん

思いもしなかった青い空に、朝から太陽が上り、辺りに光をまき散らす。近づく台風が荒れた土曜日を連れてくるはずだったのに・・・・・・まったく昨日と同じ、暑く目映い海日和がやってきた。その日を引き連れ、半島の西から東へと抜けて、複雑な海岸線を海と面一…

ノトノウミ

陽射しに揺れる沖の背。細かく散らばった太陽の欠片。濃い灰青色の翼を広げ、波の面を這う海猫。そして、凪いだ浅瀬に漂いながら、その真っ白な腹をゆっくりと追いかけるように泳いでいく。期せずして手に入れた、のどかなプライベートビーチ。目映い水平線…

2021年、夏

前にも後ろにも、行き交う車に出くわすことさえ珍しい県道29号線。見覚えのある交差点をつなぎ、深い緑をいくつか越えて、氷見市から石川県に入った。途端、午睡を終えた太陽が雲からはみ出て、フロントガラスに眩しくぶつかり、辺りが一瞬、白く消えてなく…

リトルレーサー 6

テーブルジャンプのトップよりも高いところから、コースを見渡し、跳び去る車影を左から右に目で追いかける。そんなギャラリーに湧くコースサイドへと、流す視線も余裕も、今は何もない。それでも着地のリバウンドを何とか抑え、ふらつきながらもフィニッシ…

リトルレーサー 5

瞬間的に体が置いていかれる感覚を残して、RM85Lがストレートを疾駆する。コーナーの立ち上がりでリアが大きく流れるのは愛嬌、人間のギヤも掻き上げて、最後の左から第1コーナーのアウトバンクへと加速を決める。ロングストレートエンドでフロントに頼った…

リトルレーサー 4

スロットルにいっさい反応せず、まったく加速をしない愛機。第1コーナーからの立ち上がりも、その先、408コーナーからも。もう笑うしかない。ただ、ミドルクラスのオープニングラップは、ここをホームコースにしている身には、いささかスローペース。機嫌の…

夏はバイク!

モトクロスへのモチベーションがあがらない週末。とはいえ、真夏の太陽に青い空。いけない積乱雲も雷鳴も、今はまったく、その気配すらない。となれば・・・・・・昨日、わざわざ買い物に出かけた羽生のショッピングモールまで、使えなかった商品を交換しに行くツ…