2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

快晴、無風。 3

目の前を上る坂がギャラリーストレート。気前よく全開にできる、一番のお気に入りだということ・・・今走ってきた砂利道を逆走して、急坂を折り始めるところから右に入るとコースにつながっていること・・・そして、奥にもうひとつ上りと下りがあって、下り…

快晴、無風。 2

周囲の木々は、色付く気配も見せずに、緑色をしたまま。パドックの南西に向かって、さえぎるものはひとつも無い。眼下の榛東町を跨いで、ちょうど目線の高さに、山並みが蒼く霞んでいる。妙義山の奇影も、しぼやけていて、ぎざぎざした稜線が朝の光にやわら…

快晴、無風。

Bongoのハンドルから、整った女性の声が聞こえてくる・・・声の主は携帯電話、透明なアクリル板の上に置かれたIS03が、「目的地周辺です」と繰り返す。背の低い果樹が広がる畑を、くねくねと上ってきて・・・もうすぐ山の頂上になる。その少し手前で、最後の…

ぬくもりの季節

吐く息がうっすらと白く、引き締まった朝。空のひときわ高いところに、淡いうろこ雲が屋根を曳いている。10月も終わりになって、ようやく秋めいた空気が漂う。山の色付きも、これなら足早に駆け下りてきそうだ。夜も明けきらないうちから動き始める人には申…

今日のお昼は・・・田町名物?!

透きとおるような茶色をしたデミグラスソースが、黄身まで火の通った目玉焼きからしたたり落ちている。真っ白な四角い皿は、縁が反り返るようにめくれていて、赤みの差した灯りを乗せていた。左端のレタスには、チーズを溶かしたドレッシングがかけられてい…

優柔不断な朝に

「やっぱり半谷にするか・・・」。隣のベッドに放ってあった携帯に手を伸ばして、うっかりすると二度寝してしまいそうな音色の目覚まし音を止める。上半身を起こしながら、ベッドから這い出ると・・・掛け布団がはだけていたのか、背中が冷たくなっている。…

all night long ~ 後編2/2

正面のライブ映像を目で追いかけて、マイクを口元に声を張る。左右のスピーカーの真ん中辺りにいるから、カラオケも自分の声も均等に聞こえて・・・音響は申し分ないどころか、申し訳ないぐらいだ。DAMのカラオケも、原曲に近い迫力があって、ワタシの好み!…

all night long ~ 後編1/2

足下に広がる床は、天井の照明をそのまま落としたように、白く光っている。受付のカウンターや個室の扉には、黒に近い褐色の木目があしらわれていて、ちょっと贅沢な気分にさせてくれる。真昼を思わせる廊下から、左上に「26」と記された扉を開けて中へ・・…

all night long ~ 前編

「フリータイムは終了しました」・・・金曜日の深夜、あと1時間もすれば土曜日になる時間だというのに、北総線沿いに建つショッピングセンターの一角は、灯りに虫が集まるように、意外なほど人気があった。外は雨。ひっそりしているはずの郊外のカラオケ店に…

誰もいないのが・・・それっぽい! 終

下り坂にさしかかったところで、タイヤの跡が付いていない右側の山肌にRMをもたれかける。ガソリンコックをOFFにするのも、忘れてはいない。マシンから体をはがして、今走ってきたばかりの場所へと小走りに戻る。耳に届くのは、フルサイズマシンの咆哮・・・…

誰もいないのが・・・それっぽい その6

そのままコースを外れて、少し広くなったコースの入口にRMを止める。左手でキルスイッチの赤いボタンを押して、エンジンも止めて・・・後ろから来るはずの黒地に緑の模様を配した車体を、下りきった左コーナーに探してみる。しばらくして立ち上がってきたの…

誰もいないのが・・・それっぽい! その5

<10/18の続き> 4つ目のコブを越えて、一度シートに座りなおしてから、RMを左に倒す。一つ目の斜面を全開で駆け上がり、斜面の頂点。その突端からからリヤタイヤが離れると・・・エンジンが一気に吹け上がる。空転したリヤタイヤが、半分“粘土”と化した山砂…

reverseな朝

“ZIP!”は正しかった。「北春日部駅構内で発生した保守装置故障のため」・・・伊勢崎線は、上り電車も下り電車も、運転を見合わせているらしい。音量を上げ過ぎているのか、せっかくの女性職員の柔らかな声は、スピーカーで割れてしまって、よく聞き取れ…

誰もいないのが・・・それっぽい! その4

RMに三角スタンドを掛けてから、アゴ紐を左右に引っ張るようにして、ヘルメットを脱ぐ。汗に濡れたうなじを山の風が触って、火照った体を冷ましていく。kyoheiのKX250Fは、まだコースの上・・・目の前に、#199を着けたtasaki家のKX85Ⅱが、センタースタンドに…

誰もいないのが・・・それっぽい! その3

連休の中日、“森の住人達”は、どこかのイベント会場へと出張っているらしい。閉ざされた無人の受付小屋と、ブルドーザーが撫でつけたコース。誰もいないのが・・・それっぽい。ただ、どこかに携帯の電波塔でも建ってしまったのか・・・IS03の画面にアンテナ…

誰もいないのが・・・それっぽい! その2

<10/9の続き> 鮫川村の中心街からコースへと続く県道。街並みから離れるようにしばらく走ると、少し開けた場所に出る。なだらかに丘を越えていくアスファルト。雲の取れた空からは、陽射しが斜めに注がれて、道の真ん中に刻まれた破線を、白く光らせている…

谷根千~後編

この辺りは、気軽にくぐれる暖簾が少ない。用意されているランチメニューも、千円札が1枚では足りないものばかり。ここから先に進むと1時に戻れなくなる。「団子坂下」の交差点で引き返すことにして、すぐ近くにあった『松屋』で昼食・・・昨日も日暮里の『…

谷根千~前編

日暮里駅に近い事務所から、京成線とJRをまとめて越えて歩く。「谷中ぎんざ」へは10分もかからない。昼時になると、遊びに来た人と地元の人とが混ざり合って、並んで歩くのも窮屈な通りが、ひときわ賑わう。『多満留』という名の小物屋に立ち寄り、猫の置物…

ピンピン!そして、新しき好敵手!?~paddock

順位がさっぱりわからないまま、パドックの奥へと引き上げていく。不思議と周りの雰囲気は悪くない。ゴーグルを外して、Bongoを見やると・・・ryoのKXが先に戻っていた。無事なことに何だかホッとして、クラッチを切って惰性でRMを近づけていく。と、向こう…

ピンピン!そして、新しき好敵手!?~finale 3/3

L1のボードはまだ出ていなかった・・・だからなのか、ホームストレートに折れていく左コーナーのインを刺して、YZ85LWが急旋回を始めた。イン側、コーナーの頂点には逆バンクを思わせる短いテーブルトップ・・・そこを、コーナーの角度よりも小さく折れよう…

ピンピン!そして、新しき好敵手!?~finale 2/3

YZは一台しかいない・・・#53を着けたmatunagaさんだけだ。灰色を基調にして朱色の模様が入ったTHORのウェアは、間違いない。matunagaさんだ。すでにお孫さんがいるのはokano師匠と同じ。このくらいまで走り続けている人は・・・どこか度胸が据わっていて、…

ピンピン!そして、新しき好敵手!?~finale 1/3

<10/8の続き・・・ゴールまで、あと少し?!> 何度も背後で空吹かし。2ストの耳障りな排気音をたっぷり聴かせて、フロントタイヤを覗かせるようにして煽ってみても・・・ひとつも意に介さない。インフィールドでは、「前を譲る気はさらさらない」といった走…

誰もいないのが・・・それっぽい!

空調を入れてないBongoの車内。薄手のカーゴパンツに、ブリジストンの白いTシャツと濃い灰色のパーカーの組み合わせ。ヒザのお皿からスネにかけて、肌がひんやりと冷たくなってくる。午前6時10分。雲の割れ目から、太陽が下半分だけを見せたり隠したり・・・…

ピンピン!そして、新しき好敵手!?~catch-up 4/4

小さく回る気はなさそうだ。インからアウトに、RMの前を横切るCRF。そのリヤタイヤを、RMのフロントタイヤが掠めていく。交差したラインでスネークの入口に向かう二台。アウトを回ったRMは、すでに直立して加速状態・・・斜めに寝たままのCRFは、まだスロッ…

ピンピン!そして、新しき好敵手!?~catch-up 3/4

少し真ん中に寄ったラインから、コブを横切るようにして、斜めにフープスを抜けていくCRF150RⅡ。迷いもなく前に向けられたヘルメット、きりっとした背中に、てこずりそうな予感がした。「失速する」と高をくくっていたら・・・最後の2コブにも勢いが殺される…

ピンピン!そして、新しき好敵手!?~catch-up 2/4

まさか、先にokano師匠と出会うことになるとは・・・思いもしなかった。師匠がスタートに失敗したのか、それとも“向こう”がホントに速くなっているのか!?それを確かめる機会は、すぐにやってきた。バックストレートから突っ込んでいく右コーナーに、ゆっくり…

ピンピン!そして、新しき好敵手!?~catch-up 1/4

ホームストレートから第二コーナーの入口までが、厚みにして10cmぐらいのもみ殻に、すっかり覆われている。先週は表面の砂が掃われて、固く、ところどころ黒光りしていた第一コーナーも、今日はRMの前輪を捉えて離さない。すべりやすくなったコースにあって…

ピンピン!そして、新しき好敵手!?~opening lap

ちょうどタイヤの2/3が隠れるくらい。確か1組目でトニーが並んだグリッド、YZ450Fが削り取った轍は、深さがいい具合だ。下に降ろした両足、ブーツの底から大地の感触がしっかりと伝わってくる。“15秒前”のボードが“5秒前”にひっくり返って、スターターのiguc…

ピンピン!そして、新しき好敵手!?~start

台数調整で、レース一番手だったはずの「スーパー85/150クラス」は、ワタシが走る「サンデー85/150クラス」と混走になった。午後のレースは・・・繰り上がって、一番速い「フルサイズオープンクラス」からだ。散水直後じゃなくなって、ryoは少しホッとしてい…

ピンピン!そして、新しき好敵手!?

前回の優勝から、何となく“敵役”になっているニセmanabu。あろうことか、今回も「ウェア引換券」を引き当ててもらって・・・かなりバツが悪そうだ。「何回もよく交ぜて引いた」はずの抽選券、たった一枚しかないニセmanabuの名前が書かれた紙を取り出してし…