ちょうど一年前、信を置いていた者に裏切られたような、そんな気持ちにさせられて・・・・・・私は能登行きを諦めた。それから半年をかけて関係を修復して、この夏、長い関越のトンネルをくぐり抜けて、新潟の上越から、日本海を望んだ。空にはまだらな雲、充満した湿り気が海風に漂い、ただ、その面だけは青く澄んでいた。能生から北陸道に入り、いくつも、もう数えるのも面倒なほど繰り返されるトンネルをくぐり、110km/hのアベレージで巡航。終盤の有磯海SAを出てすぐ、黒雲からフロントガラスに雨が弾けた。高岡から氷見に繋がる県道は、小さな峠で、石川の宝達志水へと下っていく。二年振りと言っても、もう長いとき、この道をつないでいる。R159を渡り、R249を左に曲がると・・・・・・いつもの白い看板が白く光っていた。中では、能登のお母さんが、特徴のある語尾と止まらないトークで迎えてくれる。他のお客さんを待たせたままにして。この瞬間がとても愛おしくて・・・・・・いつしか夏の約束事になっていた。