パドックに戻ってヘルメットを脱ぐと、一気に汗が吹き出した。それほど気温は高くないはずなのに・・・まとわりつくような湿気で体温が逃げていかないのだろう。こんなことなら、メッシュを選んでおけばよかった。湯船から上がってきたように上気した顔を、タオルで拭いて、WCTでもらったウチワで扇いでやる。そんなのんきな目の前を、守谷RTのトランポが重なるようにして通り過ぎていく。見たことのある顔ばかり・・・一人はココの管理人だ。
こうした日に必ず聞かれるのが、「あれ?ムスコさんは?」と、もうひとつ・・・「あれ、今日は408じゃないの?」。そういう日もあるよと笑って答えると、管理人だけは、ワタシがMX408をご無沙汰している理由を知っていた・・・。同じチームのざりままから聞いたようだ。守谷RTの情報網、侮り難しと言ったところだろうか。残念なことに・・・okano師匠は、まだ復帰できていないらしい。
この日集まったのは、全部で10台。ミニモトはワタシのRM85Lだけ、あとの9台はフルサイズマシンだ。めずらしことに、そのうちの4台が2ストローク、つまりワタシのRMを加えると、ちょうど半分が“旧車会”ということになる。さらに可笑しかったのが、管理人のRM125を入れて、RMが4台も並んでいること。これで“変な外人”の450が居ればスズキモトクロッサーが勢揃い・・・と、そうだ、確か彼は“青い”マシンに浮気したんだっけ・・・。それでもナノハナ色のマシンに囲まれて、気分は上々。コースに舞う霧雨は、もう、どうでもよくなっていた。
<次回、最終話に続く>