武者修行と言うには・・・あまりに情けなく~第五話

肩口から太もも、ブーツにかけて、しっかり泥がこびりついている。そんな泥汚れを指さして、高笑いのkazu。その横でiguchi師匠もニヤニヤしている。どいつもこいつも・・・悔しいったらありゃしない。それでも、しばらく話し込んでいると、右肩の痛みが和らいで気にならなくなっていた。早々と“戦線離脱”・・・には、ならずにすみそうだ。明日も仕事、社会人として「少し自重せねば」とつぶやきながらも、再びコースへ。ゴーグルの奥に映るのは、同じウェアをまとったiguchi師匠。はたして大人しく走らせてくれるかどうか・・・ちょっぴり期待して、その後に続いた。

MX408の日陰対策でクリアレンズにしていたゴーグル。昨夜のうちに、いつものローズ色のレンズに取り換えていたのは正解だった・・・今日の天気には効果抜群だ。薄暗いコースの上でも、明るい“薔薇色”の気分でいられる。谷田部は今日で二回目のiguchi師匠が、夏とは勝手の違うコースを確かめるように、探るように走っている。何でも“勢い”だけで片付けてしまうワタシには、とても真似のできない芸当だ。再び師匠の背後に着くと、しばらくは併走。本気で走っているのかいないのか、それを試すように、奥の林に向かうストレートで前に出てみた。

<期待どおりの“反応”は次回に>