何度か並びかける緑の車体、それを見えないようにして振り払う・・・そんな周回がどのくらい続いたろう。インフィールド最後のテーブルトップを過ぎて、フープスへと続く右コーナー。ここから先はryoが得意とするところだ。一瞬、車体が崩れかかったRMのイン側にKXが大きく入り込んできた。もはやフロントタイヤだけじゃない。お互い譲らないから、ぶつかる寸前。気後れしたのは・・・ワタシだった。少し弱気になった右手が、ryoの先行を許す。KXのフロントタイヤが半分ほど、RMの前にある。
フープスを並んで通過、奥に跳び上がる手前、左のターンでryoが車体を被せてきた。行き場を失ったRMに軽くブレーキを当てる・・・これで、万事休すだ。得意の“全開”コーナーで、きれいに山砂を巻き上げながら、上りきっていくryo。その先の下りも、暴れる車体をものともしない走りで、“差”を広げにかかる。二週間前は、確かにそのまま逃げられた・・・ただ、今日はそうはいかない。tasakiパパの見ている前、テーブルトップを跳び越えて、全開でryoの背中を追いかける。
激しく飛び散る山砂と、地を覆う土煙。ギャップの位置もわからなくなって、たまらず引いてしまいそうになるのを何とか我慢して、距離を詰めていく。ジャンプを確実に処理しているryo、そこでの差をいくつかのコーナーで、少しだけ取り返す。コーナーひとつ分よりもちょっと長い距離、でも、それ以上離されることなく付いていく。姿が見えなくなってしまった前回とは大違い。ryoの視界の片隅にも、黄色の車体が映り込んでいるはずだ。そのまま引っ張られるように周回を重ねる。これほど楽しいことはない!
<午後はCRF250RからKX250Fに乗り換えたkazuとのバトル。その結末は・・・次回に>