願わくは 9

散水もまっすぐに降る光に消し飛んで・・・干からびたコースは、すっかりMX408だ。フープスとここだけ、変わらないスネークひとつ目のテーブルトップを、アウト側いっぱいから跳び出して、反対側の斜面へと落ちていく。乾ききったスネークヒルを上って下りると、小さなコブがひとつ。跳び出し口がヘンに削れてしまっていて、そのワダチを選んで飛び跳ねると・・・リヤタイヤが蹴飛ばされたように見事に上を向き、前転しそうなくらいに車体が前下がりになる。さすがに新コースも三日目ともなると、そんなヘマをすることもなく、続くもうひとつの小さなコブにフロントを当てる。そのコブから右に、白くやわらかなうねりが流れる・・・通称“ホワイトモンスター”。saitoさん期待のサンドセクションは、几帳面に砂が敷かれていて、ちょっとだけ走りにくかった。右のグリップの端が砂をえぐるように・・・サンドならではのド派手な曲がり方をしてみたくても、腕も無ければ、バンクも無い。それなのに「何とか派手にしてやろう」と、小さなコブに構えるから、余計始末が悪い。コブを乗り越える時に失った力が、フロントタイヤを思いっきり砂にねじ込む・・・こうなったら、それはもう砂にからまれたアリと同じ。ホワイトモンスターの餌食だ。ちょうど裏が第1コーナー。何とか抜け出し、ホームストレートを折り返して、その第1コーナー・・・左ベントのインから見上げると、先週のワタシと似た格好で、okano師匠が赤いマシンを投げ出していた。

<つづく>