出遅れた者に、容赦はない。マシンは右から左から迫ってきて、“度胸試し”の瞬間がやってくる。運良く“すき間”を見つけられた者は幸せだ。そうでない者には・・・先を競う“我慢くらべ”が待っている。右手の力を抜いてしまったら最後、集団に飲み込まれて置き去りにされる――そして、ギリギリまで自分自身に右手の甲を見せつけていた一人が、その集団の前へと抜けていく・・・。
「そこまで右手をひねっていられなくなったから・・・」
nagashimaパパが、MCFAJのレースに出なくなったワケを話してくれた。そして、すぐに
「また気持ちが“戻って”きたら・・・わからないけどね」
そう言って、もう一度笑いながら小さく歩いていった。
今日だって、簡単には追いつかせてくれないYZ85とnagashimaパパ。ずっと“ナノハナ”を見ていてくれて、ryoとワタシにたくさんのことを教えてくれる――蒼いその背中を・・・いつまでも追いかけていたい。