「楽しいけど、コワイ」。
走ったことのある人が口を揃える。でも、ホントに怖くてどうしようもないってワケじゃないらしい。だって、その顔は、同じように笑ってるから。
「どこがコワイって?ほら、アソコ」。
出来立てで、“リップ”が反ったジャンプに放り上げられるのが厭ってワケじゃないらしい。だって、その視線が、すぐそばに落ちてるから――。
フープスとスネークヒルと、あとはココだけ。数少ない、記憶のままに存在しているスターティンググリッドの前から、太い褐色が延びている。ホームストレート。今まで、右か左に、必ず曲げられていたその直線は、そのまま真っ直ぐに続いていて、視界の端の斜面ですっぱり終わる。
新しくできたフィニッシュジャンプを跳び越えて、左に90°ターン・・・そこから右手を絞りきって、全開でシフトアップを重ねて、その斜面の手前で思いきりブレーキをかける。テーブルトップの向こうにはダブルジャンプ、ストレートエンドのこのテーブルは跳び出しちゃいけない。しっかり減速して、舐めて越えるしかない。
全開で走るストレートの先にジャンプなんて・・・こんなに興奮するレイアウトを、キミは走ったことがあるか?そう言われているような気がする。生まれ変わったMX408、どうやら好きになれそうだ。