キミは走ったことがあるか? 3

<9/24の続き>

初めて目にしたMX408、そのとき驚かされたスネークヒルが、少し低くなったように見える。坂の頂点にあった“バンク”が、ちょうどそこだけ削り取られていて、路面が空に抜けていた。「やっと来たぁ」と、申込用紙をはさんだボードを片手に、saitoさんが走ってくる。受付に並んだ2台前のモスグリーンは、kusaba家のトランポ。遠くパドックを歩いているtomobeさん。その向こう、白いTシャツにデニムはざりままみたいだ。カラダは良くなったのかな?iguchi師匠は、もう来てるっていうし、水場から前かがみに近づいてくるのはuchinoさんだ。ここはやっぱり“ホームコース”。ひと月以上離れていても、気負わず楽しめそうな雰囲気に包まれている。

かなり早く着いたのか、iguchi師匠の濃紺のハイエースは、木陰のある列の一番手前に停まっていた。開いたバックドアの後ろで、CRF150RⅡがセンタースタンドに載せられて、右のほうを向いている。その鼻先をかすめるようにbongoを横に付けて、エンジンを切る。奥に向かって、パドックはにぎやかだ。コース改修してすぐに台風に襲われて、そのあとレースもあったりして・・・まともに練習できる日がなかったから、みんな今日を楽しみにしていたのかもしれない。すき間だらけの荷室から、KX85Ⅱだけを外に下ろす。ひとりだから、荷物を積んだままマシンを下ろせて・・・準備も楽チンなのがイイ。走り出すまで、あと30分。いつもと違って、まだたっぷり時間がある。

<つづく>