54×54の魅惑 2

<11/20の続き>

アスファルト仕立ての小さなサーキットと、鉄で編まれたランプの居並ぶ間をすり抜ける。そして、道が下り始めたらすぐ、Bongoのハンドルを右に揺らしてから一気に左の砂利道へと突っ込んでいく。まだ9時になる前。いつの頃からかもう、この時間になるとパドックをトランポが埋めるようになっていた。どうやら今日も、私は最終組らしい。受付小屋の奥で手を振るsaitoさんに一つクラクションを鳴らして、知った顔の横にすっとBongoを滑り込ませる。緑色の450ccはもうパドックに下ろされていて、マシンの向こうからその右手だけが、シートの上に覗いていた。

<つづく>