移ろいの間

垂れた稲穂が西の光にさざめいて、その上を、つくつく法師の声音がわたっていく。絹雲が空の青を刷くように、風が畦を流しては、辺りの暑気をさらっていく。気づけば陽が傾くのも、ずいぶん早くなった。つるべ落としとなるその前に、もうひと暴れしてくれるはずと、天気予報士が微笑んだ。