「今度はゆっくり、バイクで来てよ」。
備長炭にまかないだろう鮭の切り身を転がす、気さくな声に送られて、裏に返った暖簾をくぐり出る。昨日までの涼風を弾き飛ばした太陽が、まだ南中の近くから、歩道の
アスファルトに陽射しを打ちつけている。ゴールウイングと
CB1300を侍らせながら、先代の教えを守り抜き、「宵越しの鰻は持たない」と鼻を鳴らずご主人。その手で香ばしく焼き上げた身を、濃いめのたれでいただいた。栃木足利を流れる渡良瀬、そこに架かる橋をまた、越えることにになりそうだ。次は独りで、トリッカーとともに。