吾輩も猫である(笑)#

ご主人たちの世界では、朝からアルコール、つまりお酒を浴びてもいい日があるらしい。御神酒と呼ばれるそれは、本来清酒らしくて、ご主人たちもどうやら清酒で一杯やったらしい。僕はといえば、前の日と何も変わらず、日だまりの中、丸まって過ごすだけ。ご主人Aは、まだ明るいうちからほろ酔い加減で、その膝に僕は跳び乗ってみた。酔いの回ったご主人Aが僕の喉をさすってくれるから・・・・・・僕も思わず喉を鳴らす・・・・・・ゴロゴロと。

お正月。ご主人たちはその時を、いやいや、ご主人たちの暮らす団地の人々もみな、その日をのんびり過ごしている。そんな正月は三が日、とにかくぐうたらに過ごしたご主人Aは、それでもネロさんを連れて、毎日外に散歩している。ネロさんは、新春の乾いた空を身に纏い、僕の目の前に帰ってくる。窓越しにトリコロールが、その大きな体で佇んで、その後ろには、しゃーが控えている。三日目の今日は、生憎の曇天。まさかの雨が、乾ききった大地を、少しだけ潤した。