ひばりちゃん

子どもの頃、テレビからはきらびやかなステージがのぞき、華やいだ歌声が聴こえてくるものだった。そんな時代の旋律は、今も耳に残っていて・・・“オール”で行き詰った時には、歌トモに披露することもあったりする。いつしか少なくなってしまって、今となっては貴重な歌番組の「火曜曲」は、そうした昭和と平成の名曲を2時間続けて流していた。昭和の“端”に生まれたryoは、つまらなそうに早々と二階に引っ込み・・・コタツうたた寝を始めたkeiをそのままにして、なつかしい歌声を静かになぞっていく。半分ほど過ぎて、“昭和の歌姫”と、確かに歌のうまい姫たちが名曲を聴かせる時間になったときだ。その“大トリ”がゆっくりと歌い始めた。「愛燦々」。それまでの姫とはまるで違う歌声。歌い出しの音には、深くて厚みがあって・・・ストラトキャスターのシングルピックアップが、いきなりハムバッキングになったような・・・いや、それも違う、濁りも歪みもないから・・・そう、ディマジオの“ファットストラト”に取り換えたような感じ。「これは勝てないよ」と思わず聞き惚れてしまった。サビまで聴き終えて、「ひばりちゃんは歌がうまいねぇ」と、おふくろの口ぐせをふと思い出した。この次はいつになるか、まだ決めていないけど・・・ひばりちゃんの曲を練習しておくのも悪くないかな?うまく歌えるかどうかは、もとろん別だけど・・・。