晴れはいい

快晴、微風。強い北風が吹きつけることもなく、冬の太陽が、精いっぱい高いところから陽射しを振りまいて、斜めにやわらかく背中を包みこむ。日向をえらんで歩いていると、KX85Ⅱを連れて走りに行かなかったことが、だんだんと悔やまれてくる。ようやくこの時期らしい気温に戻っただけなのに、懸賞で当てた安物のベンチコートの下、パーカーに隠れた素肌がうっすら汗をかいてきた。コースから戻ってくれば、「きっとジャージを脱いで裸なんだろうな」・・・なんて思っていたら、どうしても乗りたくなってきた。バイク乗りのカラダはひどく単純だ。シロとネロを引っ張るようにして家に帰り、予定していたKXのクラッチ板とスプロケットの交換を取りやめて、ガレージから橙色のマシンを外に出す。dukeでちょいと小山まで、“丘”でのひとっ走りが今年の締めになるのかな?デジタルメータに光が当たって、白くはね返った。