初日

濃淡の灰色に塗り分けられた空。濃い灰色の雲が、前を走るトラックの屋根にこすれてしまいそうなくらい、低く堕ちている。タイヤのまき上げる水しぶきと、ワイパーが弾きとばす雨粒。どちらも譲らず、走る視界の先を、細かな滴で煙にまく。

鬱陶しい季節の初日。雨は嫌らしくまとわりついたりしないで、音を上げて降り続いている。半端な雨模様では沈んでしまうところが、今日のこの潔さ。かえって気分がいい。オーディオのボリュームを右に回して、かすんでいたヴォーカルとユニゾンを決める。悪くない。