サイゼリアのキミに 2

<10/22の続き>

木曜日の夜、時間は8時を過ぎたあたり。国道沿いにあるとは言っても、埼玉の片田舎にあるファミリーレストランは、埋まる席もまばらだ。背中側になる喫煙席がにぎわっているのも、土地柄なのかもしれない。そして何より安いと評判の店内には若い子ばかりが揃っている。とても50を過ぎた男女が二人、夕食をともにする雰囲気はない。ひとつテーブルをはさんで座るのも、紺色に細く白い線が走るセーラーを着た中学生の二人。しかしその、ちょうど私とはす向かいにいた子を見つめた瞬間、時の戻る音がした。

<つづく>