正しいウソのつき方 4

<2/3の続き>

右腕だけでカラダをじりじり左右に動かして、何とか右足をTSの下から引きずり出す。そのまま両脚を折り畳むようにして右ヒザを立て、チカラを込めたときだ。瞬間、足首に激痛が走って、背中から崩れてしまった。何度やっても痛みは変わらず、そこから先、まったく起きあがれない。setaのガンメタ、あごのところにこびりついた泥を右手で払い落とし、仕方なくカラダを反転、左ヒザを起こしてゆっくりと立ち上がる。水平を取り戻し、左側に傾げた上半身を右に移し始めるととたん、足首が効かなくなってそのまま倒れそうになった。失われた均整に、もう一度右足が砂を踏みしめたはずが、痛みでヒザが折れて、大きくしりをついた。

<つづく>