明日で・・・

桜が花開くほどにゆるんだ春風が、霞んだ空に漂っている。いつもなら、脱いだコートと一緒にスーツも袖から落として、仕事にかまうことなく、ふらり平日の街をすり抜けて走り出してしまうのに・・・そうもできないまま、気づけば弥生も明日でおしまい。心惑わす暇(いとま)を感じさせない別れの月は、やはり「去って」いくようだ。

思えば子鷹の巣立ちの日から一年、そしてまた、新しい一年が始まる。こうして少しずつ、自立する日に近づいていくのだろうか・・・。