東京

幼い日々を東京下町で過ごしたワタシには、こんな時代に生まれた記憶が微かに残っている。もちろんリアルな記憶じゃない。それでも、映像に近いセピア色が、瞼を閉じればよみがえってくる。右を向いても左を見ても、老いも若いも誰もが皆、真上を向いていた時代。確かにそんな気がする。近くの公園が茜色に染まるまで遊びまくって、砂に汚れた素足のまま、白黒のテレビの前にしゃがみ込んで、コウモリを目で追いかけていたあの頃・・・何もかもがまぶしかった。

後4年、東京に再び祭典がやってくる。