一雨のあと

朝、出掛けの一雨だけで、空はすっかり晴れ渡ってしまった。湿気た風が塗れたビルの壁をすり抜けて、スーツパンツが肌に張り付いてくる。踏み出す一歩が重たくなって、深く息をするのもためらわれた一日。まったく不快な一日は、宵闇になっても変わらない。

電車のドアが開くたび、まったりと熱が漂い、冷房の羽の一振りがそれをさらっては、しばし息をつく。仕事もあえぐようにして片付け、ひと月ぶりに宿題のない帰り道。明日の台風がなければ、週末の泥遊びに心浮かれるだろうに・・・何とも巡り合わせがよろしくない。

せめて日曜日、午後でも全開で走れればと願うばかりだ。