Debut 2

<9/4の続き>

昨日の青が幻のように、日曜の朝が空から雨を落としている。路地はあっさり濡れて光り、じわり心をくじいていく。風向きが変わり、雨粒が消えて見えなくなった一瞬を掴まえて、それでもBONGOの荷室にまだ何処も走ったことのない真新しいマシンを放り込む。そして、ふたたび降り始めた雨をフロントワイパーで弾き飛ばして、いつ止むとも知れない雨音を道連れに、バス通りを南へ下って走りだす。

<つづく>