revive

昼休みが終わり、1台また1台と、木漏れ日の向こうに消えていく。

フープスから折り返してビッグテーブルを跳び越えていくと、しばらくマシンの音が届かなくなる。パドックに残っているのは、大将のCRF450Rと、ワタシの黄色いマシンだけ。あとはまばらにコースに散らばっている。バックストレートを駆け上がり、最終コーナーに迫ってきてようやく、それぞれマシンが排気音を破裂させる。

先に火が入ったのは2ストローク。ピストンが上死点を越える重さが、キックペダルを踏む足の裏から伝わってくる。すっかり忘れていた圧縮の感覚。1回のストロークで目を覚ましたエンジンは、弾けるようにアイドリングを刻み出す。軽くブリッピングして白煙を吐き出してからシートにまたがり、左の足先でシフトペダルを踏みつける。

コースへのアプローチをゆっくりとたどっていくRM85L。午後になってもう、右手を我慢する必要もなくなった。

<つづく>