七難隠すは・・・

色の白いは七難隠すと言うけれど・・・。

我が家の小悪魔は、あぐらをかいた膝にすっぽりと収まる、その程よい体つきと愛らしい瞳で、大抵の悪いことには目をつむってもらっている。ちょっとヒネた野良魂も、一度逃げたら呼んでも帰ってこない奔放ぶりも、鼻をすり寄せ大きな黒目を見せれば、ほとんどお咎めなしになる。keiがきれいにシャンプーしたおかげで、玄関の小屋から出るのを許されて、日曜の夜からは居間のソファに寝ころび、一緒にテレビを見ている。

残念なのは、名ばかりですっかり茶色の毛並みをなびかせ、立てば小さなkeiの肩口まで頭を突き出すシロの方だ。壮年になってもまだまだ余るチカラとその大きな体躯が、本当は臆病で穏やかな性格を覆い隠してしまう。そして今宵もまた、keiとワタシの間には、少し肉付きのよくなったネロが、当たり前のような顔をして寝そべっている。その姿を玄関から見つめるシロに、はたして無情を感じる心はあるのだろうか。