かすみがうらのたそがれ

午後6時。いつもなら家の近くまで帰っている時間になってから、ようやくパドックを後にする。暮れてしまうにはまだ早い薄暮の中、右手に弱い西日を引き連れ、神立駅へと続く県道をたどって走る。sada-chanもニセマナブも、まだパドックでのんびりしているのだろうか。それとも、そろそろYZ250Fを積み込み始めた頃だろうか。

saitoさんが旧いMX408にやってきた頃に知り合った仲間と、たまには昔を懐かしむのもいいじゃないか。今ではあちこちバラバラに、乗り続けている人も乗らなくなってしまった人も、乗れなくなってしまった人もいるけど・・・全部ひっくるめて、まぶしい逆光に溶かしてきた。

3本つないだ県道から国道125号線に抜けて、ここでBongoのヘッドライトを点ける。いつもは「準備中」の札を下げているつけ麺屋が、駐車場にクルマをあふれさせている。満月に少し欠けたやわらかな月影が、背の低い店の上、東の空に浮かんでいる。ニセマナブがmuraのことを忘れず思い出してくれたことが・・・うれしかった。