光秀の定理

定理。三省堂によれば、「公理・定義によって証明される、一定の理論」らしい。一定の理論、すなわち一理であり、理。この小説の縦を紡ぐのが、この「理」だ。

情景を描くのも洒脱で、永禄、天正の御代が蘇る。読後の清涼感は、ひさしぶりに良書に出会えた気がする。読みやすく、さりとて軽妙ではなく深みがあり、人が生きている。

麒麟がくるを観て終わったとき、読み返してみたい。