至福

乾ききった路面から容赦なく砂埃が舞い上がり、リアタイヤだけじゃなく、フロントタイヤも勢い横滑りして逃げ出す始末。ひと月振りのモトクロス、ポンコツな身体の芯に、新しいレイアウトが痛く響く。まったく攻められない歯がゆさを抱えながら、それでも跳べるところは跳んで、慣れ親しんだ第一コーナーからの立ち上がりにだけ、思い切りスロットルを当てる。左肘の違和感が恨めしい・・・・・・。

そして、午後。マシンを4ストロークに乗り換え、250cc、450ccと、おぼつかないスロットルワークでコースをたどる。マシンとともに、仲間と分かち合う時間。パドックで交わす他愛もない会話に笑い声。晴れた土曜日は、こうして暮れていった。