時季

やわらかな緑色がかわいそうになるくらい。

夜半からの雨も上がり、薄白色の膜の張られたブルーにギラっと太陽が浮かび、光はそこからまっすぐに落ちてくる。そして、行き交う車のボンネットに跳ね、ボディを伝い、リアウインドウに流れていく。

アスファルトに映る影は真っ黒に小さくて、見つめる瞳孔を、虹彩がきゅっと絞り込む。まばゆい光は、いつもと変わることなく、この時季(とき)に照りつける。春から夏への、この移ろいのときを。