温泉

「いつも」が「いつか」になったひとつに、温泉がある。それも旅先、相棒は単車に限る。そんな日は、いつも手の届くところにあったのに・・・・・・まったくこの一年は、例のウイルスにやられっぱなしだ。

膝につま先、大事なアソコや指先。冷えきった四肢がしびれるようにして感覚を取り戻す。そこに、「どこから来たの」と声をかけられれば、もう言うことはない。「いつか」そんな日が帰ってくることを心待ちに、今も狭いバスタブに浸かり、山間の濁り湯を思う。