集うライダーと言葉を交わすこともなく、弾けるエキゾーストだけを置き去りにして、物産センターを後にする。ここから先、ビーフラインは県道112号線と複雑に交じりあうと、ツーリングマップルにはそう記されている。確かにボクは、まさに道をロストするところだった。杉並区ナンバーを付けて走るホンダ、CT125に助けられなければ・・・・・・。
標識も、看板も、目印も、もちろん信号もない丁字路を、左へ右へと、ハンターカブの走るまま、ビーフラインを辿っていく。アスファルトの起伏は浅くなり、いくつか民家も見えてくると、国道を横切る交差点に出た。そこから那珂川に架かる大橋を渡り、すぐの交差点をまだ直進するはずと思っていたら、小さな隧道のような先がまた、丁字路になっていた。
タンクバックのマップに目を凝らしても、道はまっすぐ前方に延びているようにしか見えない。ただ、先行するCT125は、左にウインカー。思考を剥がすように信号が青に変わり、再びその小さなテールを追いかける。秋祭りの渋滞をやり過ごし、しばらく走ると・・・・・・現れた交差点に、ビーフライン直進の案内板が架かっている。右に曲がるカレとは、ここで泣き別れ。
そして、もう一度よくマップを見てみれば・・・・・・確かに道は、県道を潜る隧道の先で丁字路になっていた。