宵の空が割れて、藍色に月が浮かぶ。 だらしなく空気を濡らし、歩道に敷かれたアスファルトに気まぐれな黒い染みを付けていた空。白い絵の具を派手にパレットへ吐き出して、その横に、チューブの腹を押してほんの少しだけ、黒い絵の具を落とす。それから右手…
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