2016-03-24から1日間の記事一覧

いつかの

乗降ドアのてっぺんからアタマ一つ飛び出た偉丈夫が、腰から上を屈めるようにして列車の先頭に立ちすくみ、運転席の窓越し、走る線路をのぞき込んでいる。西に向かうそのフロントガラスには、大きな杏色がまばゆく弾け、男の頬もうっすら紅く染まっている。…