いつもの年から遅れること七日。ようやく雨の季節が北へ去っていった。 それなのに、見上げれば空にはうっすらと雲がかかり、その上をいくつもの綿雲が漂い流れては、真夏を遮る。歩道に浮かぶ自分もどこか浮かない灰色で、ぼやけたまま足早に地下鉄の駅に呑…
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