三日天下

いつもの年から遅れること七日。ようやく雨の季節が北へ去っていった。

それなのに、見上げれば空にはうっすらと雲がかかり、その上をいくつもの綿雲が漂い流れては、真夏を遮る。歩道に浮かぶ自分もどこか浮かない灰色で、ぼやけたまま足早に地下鉄の駅に呑まれていく。

天気予報の画面には、次の日曜日からしばらく、また水色の傘が並ぶ。三日天下の冷夏、そんなのは願い下げだ。明日また陽は昇る。