舳先を苫小牧に向けたまま、藍色の海を割って船が往く。邪魔するものは何も誰もない太平洋を加速も減速もせず、ただひたすらに。緑色した甲板は濡れそぼち、その上に雨の滴がいくつも小さな輪を描く。エコノミーの狭い寝床にカラダを横たえるのにも、もう飽…
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