都心に向かう地下鉄の、長い車両の真ん中に腰を下ろす。読みかけの文庫本に挟んだしおりを手にページを開く。短編の連作は直木賞を穫った作品で、ちょうど幕の切り替わるところだった。ゆっくりとページを繰り、話が進むごとに席は埋まっていき、吊革につか…
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