忍者と『源流まつり』と大福売りの娘さんと(第二話:5/4の続き)

渋滞は“信号”による自然渋滞だった。青信号になるたび、少しずつクルマがはけていく。その動きに合わせて、ちょろちょろとEXC-Rを進ませる。モタード仕様とは言え、何度も足を着くのは・・・とてもシンドイ。照りつける陽射しも強烈とくれば、思わず“すり抜け”したくなるというもの。ここは・・・じっと我慢、我慢・・・だ。

何度目かの青信号で、ようやく渋滞から解放される。クルマの列に押し込まれて速度はそれなりだけど、ガードレールの下を流れる多摩川と、その流れに沿って延びるワインディングに遠い昔が重なって・・・気持ちよく時間が過ぎていく。“大垂水峠”や“奥多摩有料”を走っていたあの頃・・・物思いに耽るには、ブレーキペダルだけで調整できる速度がちょうどいい。

しばらくして視界が開けると、そこは奥多摩湖。静かな湖面に緩やかなS字の軌跡を描いて“ドラム缶”橋が浮かんでいる。その上を渡る人が二人、何か話をしているようで、笑い声が聞こえてきそうなくらいに何とも楽しげに歩いている。そのまま奥多摩湖畔を走り抜け、小さなトンネルの出口で左にウインカー、駐車スペースにEXC-Rを運び入れる。そして、その横にu-chanのニンジャ250Rが停まる。連休中なのに、目の前の『奥多摩レストセンター』は人影もまばら・・・視界も狭くて湖は少ししか見えないし、この人気の無さは仕方ないかもなー。

レストセンターで食事をするにはちょっと早い・・・ので、とりあえずニンジャ250Rに跨ってみた。シート高を下げているせいもあって、u-chan仕様のニンジャ250Rは、すこぶる足付きがいい!度重なるストップ&ゴーと我慢できる“50km”を超えて、すでにお尻は限界・・・この先取り替えて欲しいぐらいだ。シートとハンドルの距離も近くて、全体的に“詰まった”感じは、身体の小さなワタシにもぴったり!ニンジャに身体を預けながら「さて、どこ行こうか」と思案・・・ここまで来たからには寄っておきたい“場所”があったっけ。山梨県小菅村・・・可愛い“kotume-chan”が嫁いだところだ。あと数百メートル走れば、国道139号線への分岐がある。このまま一気に塩山まで走って解散か、それとも小菅村で懐かしい顔に逢って帰るか・・・まずは本人がいなきゃ始まらないので、携帯を取り出して連絡、連絡っと・・・あれ?番号が見つからない。“kotume-chan”の携帯番号を知らなかったことに今さら気づく。あわてて共通の友人である“mikaco”に電話、連絡を取ってもらうことにした。

<次回、感動の最終話(の予定)をお楽しみに!>